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何処からともなく女性が近づき
僕にシャンパングラスを持たせる
「…あの、僕は」
黒崎に顔を向け、僕はそれを突っ返そうとした
「まぁ、いいじゃん一杯くらい」
「でも、僕はまだ…」
「未成年者でもお酒飲んでる子いるでしょ?」
堅い事を言うな、とばかりにそのグラスは戻される
戻された所で飲まなければいい…
僕は無駄なやり取りを止めた
黒崎は上機嫌なのか、僕に笑顔を見せ、僕の肩に腕を回した
激しい音楽が、僕の頭をガンガンにする
男女の異常な程のテンションに
ついていけない僕は、一人おいてけぼりをくらった様だった
「黒崎さん」
その時背後から声がした
黒崎は僕に腕を回したまま振り返る
そこにはスーツを着た男がいて、黒崎にそっと耳打ちをした
「………」
「そうか…」
そう言うと黒崎は僕から体を離す
と、僕の背中を軽く叩いた
「ちょっと待ってろ
すぐ戻るから」
口角を吊り上げた黒崎は、男と共に部屋を出ていった
残された僕は
この異様な空間に慣れず
奥にある窓際へと向かった
宝石箱をひっくり返したよう
とはよく言ったものだと思った
建物の光や外灯、車のライト等が不規則に光る
これを綺麗だとか美しいと感じるのは、闇が怖いからだろうか……
僕はこんな世界で
ハイジと生きてきた
なのに、思い出すのは
竜一に再会した時の事だった
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