アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
16
-
"初めて見た時から気付いてんだよ、さくら
覚えてねぇとは言わせねぇ…"
"別の男くわえこみやがって"
"初恋の奴に少し似てんだよ、お前"
初恋の奴って、誰?
僕?
それともアゲハ?
"俺はアゲハは嫌いだ。なぁ、さくら "
竜一の心のように
闇が深く
まやかしの光で真実が見えない
「一人?」
窓ガラスにぼんやりと男性の顔が映る
振り返ると、シャンパングラスを持った男が立っていた
「…あ」
「初めまして、だよね?」
そこにいたのは
芸能界に疎い僕でも知ってる
樫井秀孝だった
くっきりとした二重、キラキラした大きな瞳
笑った時、きゅっと綺麗に上がった口角
芸能人だからか、やはり全身からオーラが漂っている
「こういう所苦手?」
「え……」
「早くここを出たいって顔してる」
そう言われて僕は、左手で左頬を押さえた
すると樫井が失笑した
「ごめんごめん…」
「………」
「実は俺も苦手」
そう言ってオーラのある爽やかな笑顔を向けた
「森崎さんに頼まれて…
俺あの人にスカウトされてこの世界に入った恩があるから
断れなくて…」
「……」
「君は?」
僕はこのオーラにクラクラとしてしまっていた
ただでさえガンガンの音楽
妖しく異様な雰囲気
「……」
「君の名前、教えて」
樫井は僕が答えずにいると、質問を変えてきた
頭の回転が鈍った僕は、答えやすい質問にすぐ答える
「さくら、か…」
キャハハハハ…
ハハハハハ
背後から男女の騒がしい声がする
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
16 / 44