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呼ばれて僕は
頭を少し上げる
じん、と頭の芯の方が鈍く痛み
それでも僕は
髪に触れる手の主の方を
怠そうに見た
「…良かった、気付いて」
そこにいたのは
裸で横たわる樫井だった
…アゲハ
夢、か……
髪を梳く手が頬に移動し
樫井が顔を寄せる
「………」
あんな事やこんな事をされた後に
軽いキスをされても
もう嫌悪すら感じない……
「さくらが可愛すぎて
止まらなくて……ごめん、
痛くない?」
「………」
この人は何を言っているのだろう…
僕を散々アゲハの代わりにしたのに
何で優しいフリなんか…
「…アゲハって
黒アゲハの事……?」
そう言うと、樫井は一瞬驚いた顔を見せた
「アゲハの事、好きなの?」
表情を崩さず、単純な質問をする
「……そうだね」
樫井もその質問に、単純に答えた
「…何処がいいの?アゲハの…」
「んー、努力してる所、かな
何事も一生懸命で……あと、人当たりいいよね、彼」
「………」
アゲハの話になった途端
樫井の仮面が剥がれ
優しい顔を覗かせた
クラスの女子達が
アゲハの事を聞く時の表情に似ている…
僕はわざと、樫井にすり寄った
「…僕の事
アゲハって、呼ばないで…」
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