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「…ん?どうかしたの?」
樫井は再び長い指で僕の髪を解いた
茶化しているのか
それとも挑発なのか
僕にはよくわからなかった
でも……
「アゲハは、僕のお兄ちゃんだから……」
樫井に甘えるように擦りつきながら
僕は爆弾を放り投げた
樫井は、一瞬驚いた顔を見せる
けど、また元の顔に戻った
「…うん、わかった
さくら…」
口先だけ……
だけど今は
虚しいこのやり取りの方がいい
ハルオの様に
一直線に求められてばかりでは
息が詰まるから…
この人は
アゲハを思いながら
他の誰かを抱いて
欲望を満たしている
僕以外に
何人この人は
アゲハ以外を抱いてきたのだろう…
事が終われば
優しい言葉で丸め込んで
芸能人という立場も利用し
相手の、自分への好意を弄び
心を操ろうとする
きっと僕の言葉は
でまかせだと思ったんだろう
過去にも誰かに
同じような事を言われた事があるのかもしれない……
「兄弟揃って、女みたいな名前だよね」
樫井の顔を覗き込み、口角を少し上げて言った
竜一に
初めて犯された時の事を思い出す
…竜一
"俺はアゲハは嫌いだ。なぁ、さくら "
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