アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
27
-
「誰にやられたん?!」
凌が立ち上がり、僕の二の腕を強く掴んだ
「ちゃんと答えや!」
真っ直ぐ、真剣な目…
いつもの凌からは想像できない…
その力強い瞳に圧され
僕は口を開いた
「…樫井、秀隆」
「合意の上やったんか?」
「………」
目を伏せ答えないでいると
凌は僕から離れ、誰かに電話をした
暫くして凌が戻ってくる
その顔はいつもと違い
何となく悪い顔をしていた
「シンに頼んで、オトシマエつけさせたるわ」
「……え」
「大丈夫や、さくらは気にせんでええから」
そう言って凌は優しく僕を正面から抱き締めた
凌の匂いがふわりと鼻をくすぐる
背中に回された凌の手は温かく
不思議と心が落ち着く
「怖かったな、よしよし」
その手が、僕の後頭部に触れ
甘やかすように
優しく撫でる
子供扱いをするような
もしくは飼い猫にしているような
そんな感じがした
あれからまた
学校へ行かない間に終業式が終わり
春休みだからか
街には私服を着た学生が増える
そうなると僕は
補導の心配もなく堂々と街へ行きやすくなる
「……姫!」
突然の言葉に
僕は体が強張った
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
27 / 44