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かけてすぐ、携帯を寄越される
少し戸惑ったが、それを耳に当てた
『…元宮か』
「……」
竜一の声……
低くて、落ち着いた声
『ご苦労だったな
さくらの事、よろしく頼む』
「……」
心地よく、胸に響く…
竜一……
耳元で響く竜一の声だけで
…体も熱くなる
『さくらに伝えてくれ
"カタがついたらお前のいる世界に行く"ってよ』
竜一の穏やかな声
タクシーか何かに乗っているのか
時折ラジオの様な雑音が聞こえる
『……なんてな
お前、さくらだろ』
言い当てられてドキッとする
何て言ったらいいのか解らず
ただ耳を澄ませていると…
『愛してる、さくら』
竜一の、優しい声
言い終わると共に、切られる電話……
「………」
携帯を握る手が少し震えた
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