アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
.
-
「お前真白くんと友達だったの?」
同じクラスで一緒に生地作ってたやつがびっくりした顔で聞いてきた。
「いや…あー…うん?」
「すげえな…俺初めてあんな近くで見たわ…」
やっぱり目引くんだなあ…
ぼけーっと二人で過ぎ去った嵐に浸ってると後ろの窓から女子の怒号が響いた。
「佐々木ぃ!!黒田ぁ!!サボってんじゃねー!!」
「うわ?!さ、サボってねえよ!!」
「…お前女子なんだから言葉使い気を付けろよ」
結局時間ギリギリまで散々コキ使われた…
「あー…結局遅くなったし」
次調理室来る人達がちょっと遅れたりなんだりで三十分くらい遅くなってしまった。
急いで三角巾やらエプロンやら外して玖音の教室に向かう。
生徒会発行の薄っぺらい地図を見ながらさっきの模擬店の場所を探す。
そしたらその辺りでめちゃくちゃ大盛況してるところがあって、まさかと思って覗いたら案の定さっきの服を着た人たちの模擬店だった。
「うわぁ…すげ…」
これ売り上げ負けるだろうなあ…
なんて考えてたら店の中で食べ物を運んでる玖音を見つけた。
やっぱり慣れてるだけあって動きに無駄がないし、何より人の目を引きつける要素がありすぎて。
「あの人かっこいいね」
「連絡先もらえないかな?!」
「えー?さすがに聞けないよお」
なんて会話がさっきからめちゃくちゃ聞こえる。
…ちょっと、ちょっとだけ。
もやもやした気持ちが生まれる。
やきもちなんて感情初めてだな…
今まで片思いっていう片思いをしたことがなかったから、こんなふうに悩んだり妬いたりかき乱されたりすることなんてなくて、初めてなことばっかだ…
声もかけれなくてただじっと見つめてたらふと目が合った。
小さく笑いかけられただけ、でもそれが俺に向けられたものってだけで嬉しくなる。
(乙女か俺は…)
「じゃあ僕抜けるね」
「ええ?!真白くんまだ…」
「ウェイター手伝っただけ許して、ね?」
クラスの他の奴らにそう声をかけて俺の方に近づいてきて、そのまま手を引かれた。
「え…っ」
「逃げるが勝ち」
悪戯っ子みたいに笑って連れ出される。
後ろで呼ばれてる声がしたけどお構い無しに人の間を潜って抜けていく。
自然に手を握られて、学校なのに…とか思ったけどドキドキする。
する事とか仕草が王子様みたいだ…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
108 / 265