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その後も俺の服だったり軽く買い物をして回って、丁度お昼時になったからフードコートに向かった。
考えることはみんな同じで人で溢れてる。
「うわぁ…人多」
「日曜だしね、席取っとかないとすぐ埋まりそう」
キョロキョロ周りを見ながら歩いて、丁度よく二人がけの席が空いて座れた。
「僕買ってくるから和くん座ってて。何食べたい?」
「あ、ありがと…任せる」
「わかった」
笑いながらお店が沢山並んでる注文口に消えていく。
なんか今日、さり気なくの全部が優しい…
めいっぱい甘やかされてるみたいだ。
(…甘ったるい)
火照る顔を隠すように机に伏せる。
こんな大事にされていいのかな…
むず痒い気持ちが生まれくすぐったくなる。
…実はあれ以来、好きだってちゃんと言えてない。
玖音がストレートに言ってくれるのに照れくさくて「俺も」って返事はするけど、「好き」って言葉を言うことが恥ずかしい。
…ちゃんと伝えないとって頭では思ってるのに。玖音の優しさに甘えてる。
このままじゃダメだ…
顔を上げて白い頭を探せばすぐに見つけれた。
けど、その横に女の人が二人いるのも見つけてしまった。
遠いからわからないけど何か話してる。
(あ…笑ってる…)
チク…と心が騒ぐ。
玖音がその人達と楽しそうに話してるのを見て、さっきまで幸せしかなかった気持ちがしゅるしゅると萎んでいった。
同時にくだらないヤキモチの心が生まれてしまう。
「…ああもう〜…」
ぐしゃぐしゃと髪を掻き上げる。
この気持ちは玖音には言いたくない。自分で重いってわかってる…
ただ女の子と話してるだけじゃん、そんなの気にして病んでたら玖音の恋人なんてやってけない。
好きや嫉妬という感情は本当に厄介だ。
中々戻ってこない玖音に若干不機嫌になりながらスマホを弄る。
その時だった。
「カズくん?」
「あ、はい…っ」
その名前を呼ばれたのはいつぶりだろう。
えっ、と思ったけど馴染みのあるその呼び方に反射的に顔を上げてしまった。
そして目が合って、身体が強ばった。
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