アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
.
-
それだけ言って黙り込んでしまった俺を急かすこともなくじっと見つめて待っててくれる。
いざとなると言葉が出なくて喉が詰まった
情けない…
「…俺、」
「?…うん」
「…あの時、何も言わなかったけど…嫌いになったわけじゃねえから」
「……」
「嫌になったとか、飽きたとかそんなんじゃない。俺が悪いんだ…ごめん」
「…」
目を見ながら伝えるけど若菜はしばらく何も言えずにいた。
…まあ…いきなりなんだって話だよな…
責められる覚悟は出来てる。
若菜が何を言おうとちゃんと受け止めよう、そう思ってたら予想してない言葉が出てきた。
「それが全てじゃないでしょ」
「…え」
意志の強い目で捕えられて目が離せない。
…どういう意味だろう
「ずっとわたしが原因だと思ってた。理由聞いても何も言ってくれなかったし。だからしょうがないなって思ってたよ。けどその言い方じゃあ納得出来ない事多すぎるよ」
「…」
「和は別にわたしを嫌いになったわけじゃなくて、わたしは和のこと好きだった。あの時も何度も伝えた。けど、それでも別れたいって言ったのには何かある。…まだ何か隠してる、違う?」
頭がいいやつなのは知ってたはず…けどこんなストレートに聞かれると思わなくて固まってしまう。
冷静で客観的に見れる力がある若菜が言うことは当然の疑問だった。
「答えて。その為に今日わざわざ呼んでくれたんでしょう?」
あの時の本当の気持ち、何があったのかを知りたい。
そう付け加えて俺の言葉を待った。
心臓がドクン、ドクンと大きく脈を打つ。
…あの時あった事。
話すべきなのか…あんなこと。
きっと若菜は受け入れきれない。自分を責める。性格上そういうやつなのはよく知ってる。
「…若菜は知らない方がいい。ただ俺が弱い奴だったってだけ。情けないって呆れてよ…」
知らない方がいいし、知られたくない。
頑なに拒否するとそれまで落ち着いてた若菜が大きくため息をついた。
「…付き合ってた時もそうだけど、全然頼ってくれないよね」
少しイラついたような声で、態度で、
そこで初めて落ち着いていたわけじゃなくて、感情的になるのを抑えていたんだとようやく気がついた。
「別にそういう訳じゃ」
「そうでしょ?!いっつもわたしの前では弱い所見せなくて頼れる彼氏してくれて、自分よりわたしのこと優先して…そういうところも好きだったよ?けどたまに寂しかったの。男だから弱い所見せたくないってわかるけど…もっと頼って信じて欲しかった」
ぎゅっと俯いて声を震わせて、
こんな声を上げたケンカしたことなかったから戸惑った。
「…優しすぎるよ…和は」
若菜がそんなこと思ってたなんて知らなかった。
こんな状況になって若菜が思ってたより強くない事にやっと気づくなんて…本当に呆れる。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
197 / 265