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「…えーっと…ハンバーグってどうやって作るんだっけ?」
台所に買ってきた材料を広げて仁王立ちをして早5分。
目の前の肉やらなんやらを見つめて携帯の料理サイトを交互に見比べてるだけで時間が過ぎていく…
何故作り方も知らないのにハンバーグにしたのか。
前に玖音の好きな食べ物聞いた時にそう聞いたのを覚えてたから。
案外子供っぽいもの好きなんだなって思ったから間違いないんだけど…
まともに料理出来ないってなんか…玖音が出来るやつだから甘え過ぎてた…
とりあえずアレだ、ネットフル活用すれば何とかなる!
「うっし!頑張るぞ!」
一人で勝手に気合を入れて取り掛かる。
「あ?!パン粉?!パン粉なんて使うの?!」
玖音の料理に比べたら圧倒的クオリティ低いだろうけど…夜中だし食べるかわかんないけど…まあいいでしょう、俺が単純に食べたいってのもある。
好きな人に料理を作ってる自分がなんか変な感じ。
…新婚的な?
って勝手に一人で照れてテンパって周りに人がいたら訳わかんない奴だったと思う…
さっき頭に浮かんだ想像が過ぎる。
何となく、将来どうなりたいとか決まってないけど
ずっと玖音といれたらいいなって、そう思った。
「……出来たああ…」
慣れない手つきで何とか完成した不格好なハンバーグを完成させて一息つく。
まあ妥協点だろ…
ご飯は相変わらずレンチンのしかないけど仕方ない。
17時には帰ってきてたはずなのに気づいたら20時半を回ってて三時間以上ハンバーグと格闘してたって知った。
…料理勉強しよう…
「……あれ…」
やっと落ち着いて携帯を開いたら数分前にあの日以来連絡を取ってなかった若菜から着信が入ってた。
何となく玖音に後ろめたい気持ちが生まれるから連絡するのはやめてたんだけど若菜も察してくれたみたいでお互い何もしてなかったのに突然。
(…なんかあったとか?)
付き合ってた時から電話苦手だって言ってたからメッセージじゃないのが違和感で少し気になった。
少し迷って、けどわざわざ電話にするってことは用事あるんだろうと思ってかけなおした。
数回コール音が続いて繋がる。
「若菜?ごめんちょっと手放せなくて…どうした?」
『……』
…あれ。
しばらく経っても無言だから画面を確認したけどちゃんと繋がってた。
ミュートにしてる訳でもないし…
「…もしもしー?」
『ほんとに黒田くんじゃん、久しぶり』
ビクッ
思わずスマホを落としそうになった。
…え…
…この声って…
『元気だった?黒田くん』
「……も、もせ…?」
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