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朱琉side
高校2年の5月。
新しいクラスにも慣れてきて、クラスメイト達が「5月病~」と言う名のいつもと変わらない倦怠感を抱いている頃。
俺の1年の時から仲の良い友人、花城涼乃が「スクールアイドルやろう!」とか何とかほざきやがった。
入学式して3日で「俺のクラスどこ!?」と自身のクラスの前をうろちょろしていた涼乃に話しかけて仲良くなっておよそ1年。
そろそろこいつの事も分かってきたと思っていた俺が間違っていたようだ。
こいつが馬鹿なのは知っていたが、ここまで奇想天外な事を話されると馬鹿だけで済ませれない。
自分は緊急時でも冷静に対応できると自負しているが、こいつだけは対応できない。
スクールアイドル!?何に影響されたのやら。
理由を聞けば「特にない!」。予想通りすぎて悲しくなってきた。
いよいよ残念な奴と化してきたこいつを見てられず、机をバンッ!と叩いていつもの説教もどきをしたのだけど…
「まずやってみなきゃ!」
そう言った涼乃の目はとても真っ直ぐで、さっきまでの適当さは見当たらない。
1年の頃からほとんど一緒にいた中、こんな真剣そうな涼乃は初めてで、俺は驚きでフリーズしてしまう。
こいつ、もしかしたら…
よくよく考えてみれば、放置しておけばいい問題だ。
それに駄目だったらまたいつもの日常に戻るだけだし、そもそもこいつに反対する権利は俺にはない。
勝手にやらせておこう。それだけだ。
「はぁ…お前らしい。分かった。勝手にすr…」
と俺が言い終わる前に、涼乃は俺の手を引いて何処かへ走り出した。
おいこいつどこ行くつもりだよ!?
これぞ青春~ってか?馬鹿じゃねぇの!?
「お、おい!俺は関係無いだろうが!」
「朱琉も参加してくれるでしょ?スクールアイドル!」
何か俺巻き込まれてるし!
「はぁ?おまっ…はぁぁぁぁぁぁ!?」
俺は涼乃の暴走を止められないまま、何処へ行くのかも分からず涼乃に連れ去られていく。
こいつぐらいだな。俺の冷静さを崩せる輩は。
適当で、馬鹿で、時々目の前の事に熱中しすぎて暴走したりもするが、俺はこいつが嫌いじゃない。むしろ…
って何言ってんだ俺。
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