アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
6
-
涼乃side
誘いたかった次月も誘えて、今のところとてもいい感じ!花城涼乃です(*^▽^*)
ダンスできる期待のメンバーの次月が入ったから、今日の昼休みに3人で話し合いをすることになってたんだけど…
「次月、後ろにいるのは誰だ?」
集合場所の2-Aの教室には、次月…と次月の後ろで身を隠し怯えている背の小さい子。
向こうはこちらを見る覗く様子もなく、次月の背中に文字どおりぴったりとくっついている。
時々次月の後ろから、さらさらと揺れる黒髪と、「うぅ…」という怯えたような呻き声で辛うじて存在を確認できるぐらい。
「あ。俺の幼馴染。いつも一緒に弁当食ってんだけど…駄目か?」
「いや。全く問題はないが…そいつが大丈夫か気になるな」
朱琉が「そいつ」と言った瞬間、次月の後ろで黒髪がビクッ!と跳ねた。
呻き声の方も「あぅぁぅ…」とエスカレートしている。
俺はその子が気になって、次月の後ろに回り込んだ。
やっと見れた彼の後ろ姿は、首から足首まで細く今にも折れそうだった。
だから、肩を持ち、こちらを向かせるのも容易かった。
そして、黒髪から覗いた彼の怯えた表情。
「か…可愛い…」
怯えているにも関わらず、とても可愛らしく小動物のような印象を受けた。
「初めましてだね!俺は花城涼乃。次月とスクールアイドルやる事になって…ってその話知ってるかな?」
「あぁ。昨日話した。な?沫」
沫…か。少し変わった名前だな。
沫と呼ばれた彼は、次月の呼び掛けにも応じず、俺の顔を見たままフリーズしてしまっていた。
「沫ー?おーい?」
次月が沫をつつくと、ようやく自我を取り戻した沫が口を開いた。
「しいくんから…聞きました…」
「しいくん?」
「あー。幼稚園の時からの呼び名。これで慣れちまってんだよね」
「じゃあ俺もしいくんって呼ぼっかなぁw」
「だーめ。しいくんは沫だけだって 」
ケチ!
「いいじゃーん。しいくん~」
「こらw」
「ふふっ!」
突然、隣でくすくすと笑い声が聞こえてきた。
笑い声の聞こえる場所へ視線を下げると…
まさに『天使』がそこにいた。
さっきまで泣きそうだった沫が、目を細めその小さな手を小さな口元に持っていって笑っているではないか。
か…可愛いぃぃぃぃぃ…!
その笑顔は幼子を思わせるものがあって、きゃんきゃんと言っていたその場も一瞬にして和んだ。
たった1名を除いて。
ふと次月の前方…もとい朱琉から謎の負のオーラが。
あれ…朱琉もしかして怒ってる?
モタモタ変なやり取りしてたから?
お腹空いてたのかな?
「早く昼食うぞ。時間ねぇんだから」
普段は荒っぽい喋り方をしない朱琉が低い声でオラってる!
「そそそそうだね!次月、沫!ささ入って!」
「何で動揺してんだ?まぁいいけど。行くぞ沫」
「ぅん!」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
8 / 24