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涼乃side
「(ねぇねぇ朱琉)」
「(どうした)」
「(朱琉、声大丈夫か?)」
「(まぁな。お前こそ大丈夫かよ。一番スパルタだったけど)」
「(ちょっと掠れるけど大丈夫…ハハ)」
「(ならテレパシー使わずに直接話せばいいだろ…)」
「(だって喋れるけど喉痛いんだから仕方ないだろ?)」
「また昼に次月と話し合うぞ。それまでには何とか治しておけよ」
「え゛!?ぢょっどあ゛がる゛ま゛じで!?がんべんじでよ゛ぉぉぉぉぉ」
閑話休題
『歌いまくれば喉も痛くなくなる!』
昨日の悠木君の歌の指導によって喉がカッスカスになっちゃったから、普段使っているノートの後ろのページを利用し筆談なう。
俺は朱琉みたいに、黒板の内容+αでノート写しはしないし、5月になったばかりでどのノートも新しいから別に気にしない。
それよりも、俺のアイディア!俺天才じゃね?
久々に声を酷使したから今みたいになってるだけで、毎日練習してれば喉も慣れてくる…はず!
「つまり、あのスパルタレッスンを自分達で毎日自主練でやって慣れさせちゃう的な?」
「♪」コクコク
流石次月!よくわかってるな!
…てゆーか、二人ともよく普通に声出せるな。
「場所はどうするんだ?」
「大声出しても怒られない場所…か。放課後教室って誰も残ってないし、そこ使えばいいんじゃね?」
「じゃあ放課後2-Aな」
「おう」
「(*^▽^*)」キラキラ
頑張れば、上手くなればきっと悠木君も認めてくれるよな。
曲…書いてもらえる!絶対多分多分絶対!
二年生の教室だったら確かに残る人はいない。
勉強したい人は大抵図書室か家に帰って勉強している。
今日は声がギリギリ使えるかどうかだけど、出せばいける…きっと!
「よし。全員集合したみたい…だな。まぁ確認とる必要ないか」
『よし!練習練習!』
「まずは何やる?悠木は確か腹から声を出すことと、音程を細かく気にしろって…腹から声出すのは分かるが、音程…どうやって計ればいいんだ?」
『あかる』
朱琉って漢字何気めんどくさいよな。
だから平仮名で書いちゃった。
「なんだ?」
『おんていってどういうこと?』
シーン…
「音程ってのは…アレだろ?音の高さとかそういうのだろ?だから音の高さを計ってだな…ゴニョゴニョ」
ん?朱琉もしかして…
「おー?朱琉まさか音程の意味、知らないんじゃねーの?w」
「ッ!」カァァァァ///
その顔…図星だな。
その瞬間、普段は油断も隙もない朱琉が赤面しているのを見て、「可愛い」と思ってしまった。
俺はノートの新しいページを捲り、走り書きで文字を綴る。
『あかるそれホント?』
『ねぇねぇあかるー?』
『知ったかぶりしてたの?』
どんどん無くなるノートのページ
『あははあかるって意外にかわいいね♥』
『あかるー顔が赤 サッ!
「あ゛っ!?」
もう少しでノートのページの消費量が半分を越しそうなところで俺の手元からノートが消える。
というよりかは、朱琉が俺のノートを取り上げ…
パーシンッ!
「あ゛ぅッ!」
おもっくそ叩かれた。イテテ…
「う、うるせぇよ!今から調べるんだろうが!」
「ニヤニヤ」「( ・∇・)ニヤニヤ」
「お前らニヤニヤしてんじゃねーぞ!///」
そう言って俺に雑にノートを返すと、携帯を取り出し何やら調べ始めた。
朱琉が少し頬を赤くし、携帯をいじっている間も俺と次月はずっとニヤニヤしていた。
俺、朱琉と1年間ずっと一緒にいたけど、朱琉がデレているのは片手で数えるほどしかなく、新鮮な朱琉の表情はニヤニヤするにはちょうどいい。
「音程…『2つの音の隔たり』」
隔たり?隔たりってまた難しい言葉を…
『あかる、へだたりって何?』
「隔たり…まぁ要するに間隔って事だな」
『今度は知ったかぶりじゃない…?』
「ちげえよ!またニヤニヤすんなお前ら!///」
あ。また知らないうちにニヤニヤしてたみたい。
だって可愛かったもん。しゃーねー。
「音の間隔…ダメだぁ。意味がわかんねぇ!」
こういう時にこそ悠木君に頼りたいけど、聞いたら聞いたでまたキレそうだもんな…
俺らを睨んで「今まで知らずにやり過ごしてたのかてめえらはよぉ!」って怒鳴られるのは目に見えている。
想像するだけでゾクッとする。怖い怖い…
「質問掲示板で聞いてみるか…」
なるほど!
質問掲示板というのは、ユーザー同士で日頃日常の些細な悩みから人生相談までできるネットサービスだ。
この時代に生まれてきて良かったと心底思うよ。
…質問をしておよそ10分。
「すげぇ。もう返信来てる」
朱琉のその声にバラけていた俺らは朱琉の元へ集合し、朱琉のスマホを覗きこんだ。
返信には、俺らが音楽初心者ということを察してか、音程について一から丁寧に説明されていた。
ふむふむ…なるほど。
悠木君が言っていたことがうっすら理解できてきた。
「つまり、同じ高さの『ド』でも高い低いがあるわけだ」
「そのニュアンスを三人でどれだけ揃えるか…」
『同じ音でも若干の変化でだいぶ変わっちゃうんだ…知らなかった』
「っしゃ!音程について理解できたし、歌の練習するか!涼乃、声ガラガラだろうけど頑張れよー!」
「わ゛がっでる゛!っじゃ!や゛る゛ぞー!」
こうして、俺らは初めてスクールアイドルとしての活動を始めた。
絶対上手くなって、悠木君に曲書いてもらうんだッ!
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