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涼乃side
俺達の自主トレを初めてから最初の木曜日。
放課後になり、次月と朱琉のおなじみの3人で集合する。
「今日はとうとう…わかってるな?」
「おう。俺達の練習の成果、悠木に見せてやろうぜ!」
絶対いける!悠木君絶対吃驚するって!
3人で目線を合わせ頷き、音楽室へ向かった。
音楽室の前にたどり着いたのはいいものの、俺達は扉を開けるのを少し躊躇してしまった。
重厚な扉の向こうからピアノの音が聴こえてきたのだ。
防音されているため、そんなはっきり聴こえるわけではないが。
木曜の放課後の音楽室に訪れるのは悠木君ぐらいだから、ピアノを弾いている主もきっと悠木君だろう。
が、奏でられている音楽は、悠木君らしくもなく、ポップな印象を受けられるものだった。
曲は全く知らないが、どこかのアーティストの曲だろうか?
あのクールな悠木君でもこういう雰囲気の曲を弾いたりするんだ…
流石は天才ピアニストと謳われた人物だけあって、ポップな音楽でも、聴いていて心地よい。
この音楽を邪魔するのは少し気が引けるが、来るのが遅かったら遅かったで怒鳴られそうだから、俺はせめて音楽に変なノイズを入れないように、ゆっくり扉を開けた。
全員音楽室に入り、扉を閉めてもなお、悠木君はピアノに集中しているらしく、俺達の存在には気付いていない。
「悠木君、それ何て曲?」
シュタッ!「!!!!!?」
俺が悠木君に話し掛けた瞬間、悠木君は相当集中していて驚いたのか、ピアノから指をサッと離し、切れ長の目を丸くして俺達を見た。
そして声を掛けたのが俺と判明したや否や丸くしていた目が元に戻り、いつもの冷静さを装っていた。
「何だお前らか…じゃあ始めるぞ」
そう言って悠木君は練習を開始させようとするけど、俺はさっきの曲名が気になって仕方がない。
「ねぇさっきの何て曲?」
「それはおいといて早く…」
「何て曲?…あいたっ!」
「ボソッ…空気読め馬鹿」
何故か頑なに教えようとしない悠木君を問い詰めていると、朱琉から拳のプレゼント。
そろそろ俺の頭凹むよ?ねぇ?
「…始めるぞ。まずは伺史から」
先週と同じく悠木君はピアノの音をポーンと鳴らした。
まだ自主トレから1週間も経ってないから自信はない。
だけど、先週よりかはずっといいはずだ。
「あー」
…うん!音楽は全然詳しくないけど、前よりかはピアノと同じ音で歌えてるよな?
悠木君の耳にはどんな感じで聞こえているかは分からない。
先週みたいにまた怒号が飛んで来るかもしれない。
次月が歌い終わっても、悠木君は何も言わずに朱琉を指差した。
お前の番だ、ということだろう。
「あー」
朱琉が歌い終わっても、怒鳴り声も称賛の声も聞こえない。
…もしかして、先週より怒ってる?
いや!そんな訳ないない!
だってあんなにも猛特訓したんだしさ!
先週より下手になってたらおかしいよな!
ポジティブに考えようと頑張るけど、体は正直なようで、自分の番が近づく度に冷や汗がタラタラと流れてくるのが分かった。
「おいアホ面。ボーっとしてんじゃねぇぞ。次はお前だ」
「アホ面!?あっはいッ!」
さっきまで黙っていた悠木君が声を出し、俺はさっきまでの冷や汗が吹き飛ぶんじゃないかという勢いで体を震わせた。
ついでに何故かアホ面呼ばわりされた(´・ω・`)
「あー」
ピアノの音を意識して…ピアノとまるっきし同じ音で歌うんだ…
…うん。我ながら練習の成果が出せてる気がする!
さあ来い!悠木君!
俺の歌声の響きの余韻が消える。
悠木君も俺らも何も言わず、重苦しい空気だけが漂う。
ピアノが死角になっていて、悠木君の表情が全く見えない。
果たして彼は怒っているのか、怒っているを通り越して泣いているのか、あまりの上達に驚いているのか。
「この…ド音痴がッ!」
やっぱり怒ってました\(^o^)/
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スランプなう。へるぷみー
キャラクター考えていた当初はあまり好きじゃなかった悠木君が最近好きになってきています。
それどころか、当時推しだった彩月君(未登場)のお話よりも悠木君のお話の方が内容が厚くなりそうな予感がするぐらいに好きです。
皆様は今のところ(…と言ってもキャラクターまだ半分も出てないw)は誰推しなのでしょうか
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