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椅子から立ち上がり、俺を指差しわなわなしている悠木君。
先週と変わらずめちゃくちゃ怖い( ;∀;)
「そんなカスレベルの歌唱力で、昨日俺がわざわざ作った曲を無駄にするのかッ!この…」
「「「え」」」
「あ…」
え?悠木君、今なんて言ったっけ?「昨日俺がわざわざ作った曲」…へ?
ユウキクン、オレタチノタメニモウキョクツクッテクレテタノカ?
Did he compose us our song? umm?
#悠木君 #まさかの #俺達のために #作曲 #!?
ド音痴と言われたショックと、悠木君に怒られた恐怖、曲を作ってもらった驚きと嬉しさが混ざって頭が完全に短絡を起こしている。
それは隣にいる二人も同じなようで、口を半開きにしている。
「悠木、お前…」
次月が続きを言う前に、慌てた様子の悠木君がどこかへ走り出そうとする
…のを俺が彼の手を掴んで阻止に成功した。
振りほどこうにも無理で、本人も若干既に逃走を諦めつつある。
へへーん。見る感じ悠木君運動苦手そうだし、元弓道部なめんなよ!
これはチャンス!ここで悠木君をもう1回スクールアイドルに誘う!
「やっぱすごい…!まだ俺悠木君をスクールアイドルに誘うの、諦められない!」
「なッ!俺は曲作りだけさせればいいだろ?何故そこまでして俺をスクールアイドルに!」
「せっかく作ってくれた曲を無駄にしたくないから余計にだよ!悠木君と一緒に歌えば絶対完璧に仕上がる!俺達もちゃんとついていけるようにめいっぱい練習する!だから…俺達に力を貸してくださいッ!」
「…!」
気持ちは全部伝えた。それが悠木君にちゃんと伝わったかどうか。
彼の黒曜石は…先週曲作りを頼んだ時のように揺らいでいた。
これは…いけそうなのでは?
黒曜石が、彼の瞼によって隠される。
はぁぁぁぁぁぁぁぁ…
俺どころか、朱琉や次月にも聞こえるぐらいの大きな溜め息をついたあと、悠木君は再び黒曜石を見せた。
その綺麗な黒曜石の輝きは今、俺に向けられている。
あまりにも綺麗で、その輝きが俺には眩しくて目を逸らしそうになったが、ここで逸らしたら負けな気がして、しっかりと黒曜石の輝きを見つめ返す。
「アホ面。その言葉、本当だろうな?」
「嘘じゃない!」
「…そうか。じゃあ俺も入る。スクールアイドル…確かにこのままじゃマトモに歌も歌えそうにないしな」
そう言って承諾してくれた彼の口元は、微かに弧を描いている気がした。
出逢ってから1週間。俺は未だに無表情か、キレた顔か、驚いた顔しか見たことがないため、彼のそんな表情を知らないが、これってつまり…
「あー!悠木君やっと笑った!」
「うわッ!?///」
俺は悠木君が笑ってくれたのが嬉しくて、思わず悠木君に抱きついて、そのシュッとした頬をつついた。
「あ!涼乃だけずりぃぞ!俺も悠木に抱きつかせろーッ!」
俺が抱きついたのとは反対側に、次月も抱きついてくる。
悠木君越しに俺の背中にも回された手に入る力はかなり強く、少し苦しい。
うぅ…次月ガタイがいいもんなぁ…
「う…ぐぐ…次月苦しい!離れろよ!」
「いーやーだッ!」
「何やってんだよお前ら…」
「その"お前ら"に…俺を…混ぜないで…くれ…よ…」
俺と次月のバグ攻防戦を見ていた朱琉が、俺らをジト目で見つめている。
ん?朱琉もバグに参加したいのか?
俺が朱琉を誘うように片方の腕を朱琉に向けたら、朱琉は黙ってこちらへ来た!
やっぱり!でも、朱琉からスキンシップしに来るなんて意外。
なんなら、今まで拒んできたのにさ!
片腕で朱琉の体を包み込む
…前に後ろから身体捕まれ、悠木君から剥がされてしまった。
「わっ!?ちょっ、離せよ朱琉!」
「お前らなぁ…悠木を見てみろよ。息できてねぇぞ…」
そう言われて悠木君を見てみると、元々色白な肌が更に白くなっているように感じた。
あ…きつく抱き締めすぎたか…反省…orz
でもこれはこれで…
朱琉とスキンシップをとるチャーンス!
俺はすかさず、脇から入れられた両腕を掴む。
「俺と朱琉の初スキンシップたっせーい(*^▽^*)」
「馬鹿!///俺はそういうつもりで剥がしたんじゃ…っておい!腕掴む力強すぎんだろ!」
そう簡単に離れてもらっても困るからな☆
正直朱琉は悠木君よりも力の意味ではチョロいからね。
後ろから抱き締められてるため、確認はできないけど、絶対赤くなってるよな朱琉…うぷぷ…!
「おーおー何イチャついてんだお前らー!リア充には退室してもらおうか?んー?」
「ち、違ッ!///」
次月に囃し立てられ、俺の手が緩んだのをチャンスと見た朱琉は、勢いよく俺の手を剥がした。
あー!せっかくの初スキンシップが!
「よし!リア充も離れたところで…「リア充じゃねぇっての!」
「早くもグループ結成だな!」
…そういえば、そうだな!
悠木君、朱琉とのスキンシップに夢中になってて忘れてたけど、これでオリジナルのダンスと歌は作れるから…
「よっしゃああああ!これでスクールアイドルできるんだな!」
「…仕方ない。涼乃にはしてやられたな」
「歌、前よりビシバシいくから覚悟しろよ!」
「あ、そうそう!グループ名の事だけどさ…」
グループ名?あ。確かに全く考えてなかったや。
でも、次月にはいい案があるらしい。
「俺ら紅薔薇男子が集まったグループだから『Red Rose Garden』…略して『RRG』…更に略して…」
「『2Rg(アラルジィ)』なんてどうだ?」
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ボソッアラルかぁい…(分かる人には分かるネタです)
やっと終わった第1話。
ちゃんと全員のそれぞれの話までたどり着けるかどうか不安になってきました…(^_^;)
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