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1最悪な人
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正直な所、この仕事は別に好きじゃない。
ただ、夢もないし、やりたいこともこれといって無かった自分に母が
「じゃあ公務員試験でも受けたら?」
と言って、見事に合格し、この仕事に就いたという感じだ。
我ながら、つまらない人生送ってるなぁと悲観している。
そんな俺でも、唯一の楽しみというものはある。
それは、深夜のバイト。
学生時代にお金に困っていた時やっていた事が今でも延々と続けてしまっているのだ。
早く夜にならないかな。
「おい、新入り。これ、部数間違ってるぞ…ふざけてんのか」
出た。
こいつは南市役所、市民生活課のエリートと呼ばれる雪村桐二先輩だ。
相変わらず、いつも一言多いから目くじら立ててしまう。
まぁ、こんなの慣れってもので。
「すみません…急いで訂正します」
「分かったなら、さっさと行け」
あぁ腹立たしい!
あのすかした顔、クソむかつく。
しかも、それとなく様になってるのも余計にむかつく!
K大という偏差値のお高い大学を出ているのは知ってる。
だがしかし、それが何だ。
ただちょっと頭良くて外見もクールなだけだろうが。
所詮いい大学なんて出ても、このザマじゃないか。
市役所の公務員より大きな職だって選べたはずだ。
行政関連とか、弁護士とか、
「それなのに、何でココに来るかなー」
大きなため息をついて、
部数訂正をした後に、自販機でコーヒーを買う。
こんな仕事すぐにでも辞めたいのだが、今更辞めたところで他に当たる所はない。
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