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始業式-1
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到着した第一講堂ではすでにレッドカーペットが敷かれ、椅子が並べられていた。
一体何を入れる事を想定して造ったんだと疑問に思いたくなるぐらいの広さがあるこの第一講堂は、主に式典用に使われる。
体育館とは別に第一から第三まであり、第二講堂は音楽鑑賞用に防音、反響版が設置され、第三講堂ではダンスパーティー用にオシャレなシャンデリアやオーケストラ専用舞台がある。
そのどれもが例外無く職人による細かな彫りが施されているのだが、その中でも式典用の第一講堂は比較的大人しい、シックな造りだ。
「生徒会役員の皆様、お早うございます。全て準備は滞りなく進んております。式が始まるまでの間、舞台前のお席に座ってお待ちくださいませ。理事長様は先にご到着なさっていますので」
私達の姿を見つけた生徒会親衛隊総隊長が静かに前に来て現在の情報を伝えてくた。
「げ……父さん来てんのか………まだ課題終わってねぇのに」
そう、皇名学園理事長とは現大神家当主、大神湊(オオガミ ミナト)様で奏様のお父上。
奏様によく似た切れ長の目元に筋の通った鼻、ダークブラウンの髪にダークグレーのスーツがとても似合う。
大神家の皆が付けているピンクダイヤで出来た桜モチーフのピアスは大人の色気を増大させている。
30代後半なのにも関わらず、その風貌はまるで20代だ。
当主を務める傍ら、皇名学園の理事長としても有名で奏様が高等部入学と同時に就任したのだ。
入学当初の学園は無能な理事長と生徒会のせいで荒れに荒れていて、強姦は当たり前、暴力は日常茶飯事、いじめが途切れることが無かった。
しかし、今の生徒会と湊様による学園改革でごく平和な学園を取り戻したのである。
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