アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
食堂-1
-
百貨店で材料を揃え、生徒会室に戻った。
買い出しは親衛隊の皆さんが頼まれれば嬉々としてやってくれるが、ちゃんと自分で商品は見て買いたい派なのだ。
どうしても手が離せないときにはお願いすることもあるが。
「ただ今戻りました、お待たせしてしまって申し訳ありません」
「いいよ、お疲れ、澪。蓮からの伝言、頼まれてくれるか?」
「もちろんです。ただ今日はお昼の準備が出来ていないので、食堂なのですが……こちら迄届けてもらいますか?」
月一回の授業日はまだ空が暗いうちから生徒会室で仕事をする為、昼食の下準備が難しいのだ。
もちろん、できない事もないが睡眠は取らなければ集中力がもたない。
でも奏様は3徹夜目でも平気みたいだ。
「今日は食堂だな。料理長に今月の予算を渡しに行く」
「畏まりました……あぁ、お茶会について相談があるのですが、3日以内に開いてもよろしいですか?」
これでも奏様のスケジュールは把握しているので、少しだけなら大丈夫だろう。
「構わないがお前は少し休んだほうが良い。お茶会の日はそのまま休め。最近、顔色悪いぞ。無理はするな」
「大丈夫ですよ。主よりも休むわけには行きません」
「全く……まぁいい、取り敢えず日時が決まったら知らせろ。その日は俺も早めに切り上げる」
「畏まりました……詳しいことはまた。仕事しますか」
ここ最近、体が怠重い感じがしていたのは確かだ。
ただ、それほど気にするほどでも無かったので普通に過ごしていたのだけれど、奏様にはバレていたみたい。
本当に従者として申し訳なく思う。
奏様あんなにテキパキと仕事をこなしているのに。
自身の仕事を再開させた奏様をチラリと見る。
………やっぱりカッコいいし、好き。
男前だけど何処か抜けていて、強引で俺様。
でも、誰より優しい。
仕事に集中する奏様に心がキュンとなる。
火照った顔を仰ぎながら仕事を再開した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
28 / 523