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引き金-2
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初対面にも関わらず、夏様方のピアスやカラコンにねちねちと説教を垂れていた。
ここの学園でアクセサリーや髪染めについて罰則を与える規則はない。
皆、この学園に入学したからには家の看板を背負っていると自覚しているからだ。
Fクラスはいわゆる極道やマフィアの跡継ぎのためのクラスだが、裏社会を取り仕切る夜神双子の支配下にあるので目立った行動はできない。
それに下っ端に舐められないためでもある。
それをわざわざ引っ張ったり、つついたり……それは誰だって怒るはず。
「そういう事なら、奏、俺も」
「夏と秋はわかった、よろしく頼む。……蓮は?」
「さっき、湊さんから誠(マコト)さんに連絡があったみたいで……やっぱり湊さんの指名した人じゃなかったみたいだね。誰だか検討もつかないから捜査のために証拠を押さえてみろって、課題出た。今週は泳がせて、来週辺りに一気に証拠押えようと思ったけど夏と秋が代理の相手してくれれば、現物確認で出来るかな〜なんて」
「「いいけど、今度ヴィータのピアス買って」」
誠さんは蓮様の養父様。
現守神家当主で世界警察のトップを担うお方だ。
秋様方は了承したが代わりにピアスを蓮様に買わせるみたいだ。
「いいけど、あんま高いのは勘弁ね」
「…じゃあ、蓮と秋、夏、俺と澪が行くが…
白はどうする?」
「……帰る、そろそろ…だし」
白様はちゃんとΩとして発情期が月に一回くる。
その時は皆で仕事を分散させ、部屋に籠もってもらう。
この学園のΩは皆一人部屋で、発情期休暇を申請すれば学校は出席扱いになる。
予定日が近くなれば親しい人以外に合うのを避け、早めに帰宅するのが暗黙のルールだ。
「じゃ、白ちゃん送るついでに書類取ってくる」
「ん、あり…がと」
蓮様と白様はとても仲がいい。
それは蓮様が初等部の途中から守神家として仲間に加わった頃からで、私には分からない何かがあるのだろう。
「蓮が書類を持ってきたら行くぞ。……澪、もう1回おかわり」
話している間もおやつに作ったガトーショコラをモグモグとしていた奏様は、3個目を欲しがった。
美味しそうに食べてくれるのは嬉しいけど……毎日繰り返すと糖尿病になりかねない。
「残りはお夕食の後ですよ。さ、残りの書類を片付けてください。…白様、ケーキ持っていきますか?」
「うん!」
「……俺には?」
「奏様は我慢です」
Ωの発情期中は非常に体力を使う。
あまり食べれないとも言っていたし、今から蓄えるのだろうか。
蓮様に買い物に付き合ってと言いながらケーキの入った箱を持って生徒会室をあとにした。
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