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引き金-4
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「邪魔するぞ」
「……きゃああああああ!!」
「な、ななんだね!?君たちは!?」
ノックもなしに奏様がスタスタと中に入っ
ていく。
その背中を小走りで追いかけるとこの学園に居る筈の無い者の声が聞こえた。
「澪、そこから動くなよ」
「…っ!…はい」
確認しようとすると奏様から止められてしまう。
「……何なんですか貴方達は!?」
「生徒会長、奏だ」
「同じく、蓮」
「同じく、夏と秋だ」
自己紹介は顔合わせのときにした筈なんですがね?
「違う!何をしに来たと言っている?!ノックも無しに勝手に入りおって!!」
奏様がヒステリックに喚く代理に舌打ちをしながらソファーに腰掛けた。
奏様が退き、目の前に広がっていたのは半裸の代理と服のはだけた女性。
奏様のお姉様方のお召変えを手伝った経験もあるので、別に慌てるわけでもないのだが………………この学園では行事や式典以外の時に女性を招くのは厳禁である。
生徒ならば即退学、教師ならば即免職といった具合にその罪も重いものとなる。
「……なっ、何で…こんな」
仮にも理事長代理ともあろうものが、こんなことをしていたなんて学園のスキャンダルになりかねない。
この学園で生徒が伸び伸びと学ぶことができるのは、部外者を一切受け付けない最高のセキュリティに個人情報が守られているからだ。
それを、全ての情報が集まるこんなとこに部外者を呼び込むなんて、ありえないしあってはいけない!
「なあ、代理……お前は本当に俺の父親が寄越した代理なのか?だとしたら失敗がすぎるぞ、こんな事をするやつだとは。秋、やれ」
奏様が指示を出した瞬間、後ろにあった秋様の気配が消える。
夜神家の特徴、隠密行動でその技は一般人には捉えられない。
「………きゃ!」
次に秋様を目で捉えることができたのは、すでに女性を気絶させた後だった。
「澪、書類をこっちに」
奏様の元へ抱えていた書類を渡す。
蓮様と秋様が奏様の向かいに座り、夏様が気絶した女性を1人がけのソファーに座らせそれに続く。
代理は何が起こったのかわらがないといった様子でポカンとしながら立ち尽くしている。
この状況で私がすべきことは、奏様の指示に従うことのみ。
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