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引き金-6
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「そんなものワシは知らんと言ったら知らんのだ!!調子に乗りおって!!」
先程よりも興奮して、顔が真っ赤になっている。
「ん〜…あった、裏口入学の報酬金…小切手。ご丁寧に『裏口入学・報酬』って書かれてるし……馬鹿なんじゃないの?」
「蓮、それが見つかればいいアイツに確認させて現行犯だ」
「りょーかい!」
「ワシは知らん!!宇理には手を出すな!!!」
どこまでコケにすれば気が済むのだろう、この代理は。
確かな証拠を残し、隠蔽のいの字もない。
「呆れたものですね……こんなにもわかりやすいとは。湊様は本当にこの方をお選びになったのでしょうか?」
「違うだろうな、父さんは人を見る目は確かだしな」
「貴様らぁっ!!」
ふと、暴れるがびくともしない秋様に拘束される代理を見る。
「特にお前だ!!Ωの癖にワシを見下しおって!!」
興奮して顔が真っ赤になった代理は、こんなんでもαであることを余りに間抜けだったので忘れていた。
目が合う。
ーーーαが持つ、Ωを屈服させるための『朱目』。
「……ぁっ!」
全身の力が抜け、その場に崩れ落ちる。
「澪!?」
「澪ちゃん!」
「「澪!」」
その間も代理から目は離せず、指一本動かせない。
「ぅ、っぁ……!」
「澪!」
頭が痺れ、なにもかんがえられなくなる……
「大人しくしてろ!!」
夏様が腹に拳を打ち込み、秋様が羽交い締めにしていた腕を後ろにし床に倒す。
そこでようやく、朱目から逃れることができた。
「澪、こっちを見ろ。大丈夫だから」
だが身体は動かせず、頭がガンガンと痛む。
奏様が私の上半身を抱え、優しい朱目で見つめてくれる。
あの代理とは天と地ほどの差がある。
初めてΩとして支配され、本能がαに従おうとして強張った身体は奏様の朱目には、不思議と気持ちが落ち着く。
「澪、大丈夫だ。俺が守るから」
そういえば奏様や秋様達は朱目の純度をコントロール出来たっけ?
怖かったという思いは、奏様によって上書きされる。
(……すみません)
迷惑をかけたことを謝ろうとしたが声にならず、耳鳴りのせいで奏様の声が聞こえない。
視界がだんだんと黒く狭まり、また迷惑をかけてしまうと不安にかられながら意識を闇に預けた。
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