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初めての-2 (side 奏)
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生徒会室へ行くと既に蓮、秋、夏が仕事を始めていた。
「おはよう」
「「遅い」」
「おはよー……って澪ちゃんは?」
集中している3人に声をかけると、不機嫌そうな双子に睨まれた。
蓮は好物のこんぺいとうをゴリゴリ噛みながら挨拶を返すが、隣にいない澪を探し始める。
「熱出して寝込んでる。白は?」
「今日ぐらいにも来そうだから休み。……澪ちゃんはやっぱり昨日の?」
白に話を聞くのはどうやら難しいらしい。
「いや、最近体調が悪そうだった…偶然だろう。それと、今日は早く戻る。澪が心配だ……発情期が近いらしくてな、匂いが酷い」
生徒会室にはαしかいないが、もし澪を実家に送るとなると生徒会の仕事を抜ける事になる。
あくまでまだ可能性だが、澪の理性がないうちに番にはしたくない、ちゃんと同意を得てからだ。
その前に、ただでさえ日頃からずっとオアズケ状態で犯してやりたいと思っているのだ、初めての発情期で俺の理性が持つ気がしない。
「「……は?発情期?」」
「………奏、誰の発情期?」
「澪に決まってるだろう」
何を言っているんだこいつらは。
あんな甘い匂いをさせて、気づかないわけがない。
「え!?澪ちゃんが、発情期?…まさか、そんな事ないでしょ。全然匂いとか何時もの感じだし」
「…秋は、なんか感じた?」
「いや…匂いに変化は無かったし、昨日の朱目が無ければ…正直澪がΩだということも忘れていたしな」
澪の匂いが分からない?
そんなまさか、俺だけとでも言うのか?
「あんなに甘い匂いをさせていただろう!αなのにわからないのか?」
「だってホントに何も無かったんだってば」
「奏が敏感になってるだけじゃないの?」
どうやら本当にわからないらしい。
でも蓮達は紛れもないαだし、それがΩの匂いを嗅ぎ分けられないわけがない。
唯一違うのは俺が+αだと言うこと。
特に敏感になっているとかそういう事か?
いや、他のΩに対してそんなに感じたことはない。
「澪ちゃんとずっと一緒にいるんだし…しかも体調崩してるんでしょ?心配で過敏になってるだけかもよ」
「「だな」」
「あんなにするのにか?………+αとしての特権かなにかか?」
「分かんないけど、そういう事にしておいたら?ホントに匂いは無かったよ。早く帰るんだったら明日休みだし、仕事終わらせてって!」
「わかっている」
匂いがない、か。
いくら俺が敏感でも全く感じないのはおかしい。
それに普通、Ωの発情期は13歳までに来るものだが澪は今16だ。
こんな時期にはじめての発情期というのもおかしい。
澪が回復したら一度検査させよう。
俺も一緒に行くのは恥ずかしいことか?
α教育で習ったΩの身体については澪に関わることだと思って全て覚えているが、今では例外になってしまった。
………心配だ。
もう起きたか?飯はちゃんと食えてるか?
メールなんてしたら澪が申し訳ないと謝るばかりで、逆に気を遣わせてしまうか。
「奏!これサイン頂戴」
「あぁ、そこにおいといてくれ」
取り敢えず、早く仕事を終らせて澪の所へ戻ろう。
明日からのゴールデンウィークに澪を実家に送るついでに帰省して、体調が良さそうだったら白の両親が経営している大病院、治神総合病院に連れて行こう。
父さんに明日一度家に帰るとメールすると、直ぐ様
『出張先から今日にでもヘリで戻っておくよ。娘たちも昨日から帰っているから、久し振りに皆で食事をしよう!
雅にも澪ちゃんのことは伝えておいたよ、早く戻りなさいだってさ。
奏、合意の無い行為はダメだぞ★
澪ちゃんはみんなの大切な子だ。もしそうなら初めてなんだ、優しくしてやりなさい。決して、泣かさないように!』
と返ってきて、少し帰るのを止めようかと思った。
俺には3人の姉がいて全員α、母さんもだ。
ついでに言えば、澪の両親である雅さんと愛さんもα。
その他の下働きは皆、βだ。
そのαの巣窟に恐らく発情期であろう澪を連れて行くのはどうかと思ったが、皆自分がコントロールできているから大丈夫だろう。
抑制剤を学園内のクリニックで打ってもらってから帰ろう。
早く澪の所へ戻りたくて、それからはいつもの倍の速さで書類を片付けていった。
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