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初めての-6
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半開きになっていたリビングと玄関を結ぶドアが開かれる。
(……だめ、おねがい、こないで)
頭の中で警報がなる。
でも何の警報なのかは自分が一番分からない。
膝がガクガクと震え崩れそうになり、ブレる焦点の中で奏様の足が見えた。
「……澪?……皿を割ったのか、別にそんな事で怒らないから顔を上げろ」
濃くて甘い『αのフェロモン』ーーー。
「……ぁ、かな、で…さま……」
息が、苦しい……!
甘い匂いが身体を包み、もっと、もっとと欲しがる。
「………澪?」
割れた皿の上に倒れ込みそうになるのを膝に手を付き必死で堪えていると、流石に不審に思ったのか奏様がしゃがみ上げられない顔を覗き込んできた。
「……っ、あ!」
本当は奏様を見たくない。
この息ができないくらいに苦しい中、奏様の優しさに触れることが、これ以上この甘い香りを吸っていることが、今まで我慢してきたこと全てを壊してしまう。
いや、なのに………!
目が合った瞬間、更に身体が熱くなるのを感じる。
「っ!?れ、い……お前……!」
奏様の目の色が誰よりも濃い、紅に変わった。
途端に身体の力が抜け皿の上に倒れ込みそうになるが奏様がいち早く両脇に手を入れ、自分の側に引き寄せる。
そのままの勢いで後ろの壁へと崩れてしまった。
「……っ澪…………そのまま、動くな……!」
(いい、におい………)
引き寄せたまま倒れたことでより密着してしまった身体はもはや、自分の意思でなど動かせるはずもなく。
「…ぁ、かな…で、さま……っはぁ」
無意識に首筋に鼻を擦り寄せ、肺いっぱい
甘い匂いを吸い込む。
「ふぅ、ん……はぁ……いい、におい……んっ………」
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