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別れ-3
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心が悲鳴を上げる。
涙が止まらない。
………この涙はなんの涙?
「…ひっく、うぅ………ふっ……うぁ……」
溢れ出る涙と止まらない嗚咽に、奏様を起こしてしまうといけない。
腰にある腕をそっと避け、止まらない涙をスウェットの袖で拭いながらベットを降りる。
感じられなくなった奏様の熱にますます心が軋む。
「……ぅー………」
奏様が何かを探すように手を動かした。
このまま起きると、気を失う直前に言っていた「話」をするかもしれない。
それは辞めさせられる話だろう、きっと。
奏様の口からいらないと言われるのは死ぬよりも辛い。
それだけは聞きたくない………だから、自分から身を引こう。
何かを探すような仕草を続ける奏様にそっと枕を抱かせ、床に膝を付き手に触れ、額を付ける。
(あぁ、温かい………勝手に出ていくことをお許しください。貴方の元を去っても、私の心はいつも貴方だけを思っております………
心の底から好きでした、奏様………)
心の中で、別れを告げる。
元々、発情期が来たらいつどんな時であろうと奏様から直ぐに離れろと奏様のお祖父様から言われていた身。
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