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別れ-7
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もう私が奏様の為にドアを開けることも無くなったのだ、婚約者が私の代わりにこの学園に来るまでの間はこの方が開けてくれることになる。
「私も、貴方のような明るい方で気持ちよく登校することができました。………では、そろそろ」
「……………?…ぁ、っはい!お仕事頑張ってください!お戻りお待ちしております!」
返事はせずに、手だけを振る。
すると頭が地面に付きそうな勢いでお辞儀をしてくれた。
(お元気で……)
もう私はこの学園の寮に帰ることは出来ない。
一度実家、大神家の敷地内にある宝生家に戻って父様と母様に発情期が来たことを報告して……それから正直言って嫌いな奏様のお祖父様にも話さなければならない。
あのお方はΩ嫌いで有名で、私は奏様にお会いしたときからさんざん罵られてきた。
その度に奏様が食って掛かったのだが、+αとはいえまだ子供だったためにフェロモンも大人よりは上手く扱えずに打ち負かされてばかりだった。
だが本格的なα教育が進むに連れ、直ぐに追い抜いて初等部では少し集中すれば相手を気絶まで追い込むこともできるようになった。
それからはネチネチと奏様がいない間を狙って地味な嫌がらせをされていたが、奏様がそばにいてくれればどうでも良かった。
学園の玄関ではなく、門に向かって進み続ける。
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