アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
別れ-11
-
すでに門の前に呼んでおいたタクシーが止まっていた。
「お待たせしてしまい、すみません。大神家迄お願いします」
開かれたドアから乗り込み、行き先を告げる。
「えっ!?大神家ってあの?」
「ですから、そう言ってるじゃないですか。急いでるんです…なるべく早くお願いします」
「…あぁ、すみません。シートベルトお願いしますね」
普段の移動には高級車しか使用しないのでシートの硬さと臭うタバコに顔をしかめるが、学園に車は置いていないので自分で運転することもできないから仕方がないのだ。
免許は取得可能年齢になる前に宝生家では主の移動のために早くから取っている。
フラフラとしながら進む車に不安になるが、元々熱の出ていた身だ、直ぐに眠気が来る。
散々泣いて、昨日は…その…あんなことを奏様にしてもらって、まだ引かない熱。
その眠気に逆らうことなく、3時間はかかる道のりの中で奏様のことを思うと涙が出そうになるのでいっそ寝過ごそうと目を閉じた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
82 / 523