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居場所-2
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怖い、何を言われるのか、わからない。
今はたった一言、気にするなと言ってくださる奏様は側にはいないし、これからもいない。
「……取らないのですか、ずっと鳴っていますよ?」
取るか取らないか迷っていると、ミラー越しに目があった運転手が言ってきた。
その目は、何かが怖かった。
父様にはメールでだけれど発情期が来たことを伝えたがまだ返事は来ない。
きっと湊様の護衛をしているのだろう。
鳴り止まない着信音に覚悟を決める。
「……っ、あ、はぃ……澪です。大旦那様、なにか、御用でしょうか?」
震える声を押さえつけ、感情を悟らせないように話した。
『…チッ…Ωにそんな風に呼ばれとうないわい。儂が連絡したときはワンコールででろ、のろま。……儂の可愛い奏はどうした?電話もとらん、メールも帰ってこん…昨日の夜中には本家に帰ってくるはずだっただろう!?』
じゃあなんと呼べばいいのか、なんてこと言えるはずもなく……大声で捲し立てられ体がいちいち震える。
奏様は昨日帰る予定だったのか。
私に発情期が来たからわざわざ遅らせたのかはわからないが、電話もメールも返さないのは奏様が貴方を嫌っているからです……口が避けても言えないなこれは。
奏様は自己中心的で傲慢、αとしてプライドだけが無駄に高いと愚痴をこぼしていた。
大神家でも珍しいタイプのαで、先代達に比べるとあまり優秀とは言えず、息子である湊様が優秀であった為に会社の経営で揉めることも暫し。
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