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居場所-4
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………あぁもう、どうせ報告するのだから遅かれ早かれ結果は同じだろう。
運転手にも聞こえてしまうような声量で話
されるのでとても気まずいが、顔を見なくて済むならそのほうがいい。
『………すみません、私、発情期が来たんです。ですから…ご命令通り、奏様から身を、引きました………』
喉が渇き、引き攣る。
手は震え、
無性に自分の首輪を外したくなった。
『………なに?……そうか……』
先程まで怒鳴り散らしていた声は急に静かになり、何やら考え込むように黙ってしまった。
怖い。
この沈黙は何?
これから何を言われるのだろう……。
緊張と恐怖で乾いた喉を潤そうと勝手に喉が鳴る。
『そうか、発情期か。……おめでとう、澪くん』
「え?」
しばらくの沈黙のあと、聞かされた言葉はあまりにも想像とは程遠いものだった。
どんな風に罵られるか構えていたのに、拍子抜け。
ふぅ、と無意識に浅くなっていた呼吸を整える。
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