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Ωの価値-3 Side?
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車はすでに止まっていて、そこがタクシーの運転手のみぞ知る隠れ路地だという事には気付かない。
運転手は端から大神家に向かう気など無かったのだ。
こんな朝っぱらから、あのお金持ち校であり世間一般、ましてや庶民にはほとんどと言っていいほど見られないΩが多く在籍すると言われる場所に呼び出しを受け、それには少なくとも乗り込んでくるのはお金持ちだろうと考えた運転手たちはチップを弾んでもらえるはずと皆が立候補した。
そんな中、偶然にも公正なじゃんけんに勝ってしまったこの運転手は乗り込んできた客があの財界だけではなく政界にも大きな影響を与える、十神家序列第一位の大神家に関係する人物。
第二位の治神家でも追いつかないほどの大企業。
そんな家では優秀なαを育て、一族を繁栄させるためだけに多くのΩを囲い込んで子を産ませているだとか、αの妊娠率が高いΩは超優遇されているとか、数がとても少なく見た目麗しいΩを独占しているなどという妬むような噂が絶えない。
その大神家が囲うΩかもしれない人が車に乗ったとき、顔を見るとΩだという理由だけでは説得力が足りないような美貌の持ち主で、フェロモンは感じられないはずなのにほんのり香る甘い匂いは少しでも触れてみたいという邪な願いを助長した。
目は潤み、頬はピンクに色づいて、白い肌に漆黒の髪が合う。
泣いていたのか目元が腫れていて、守ってあげたいという思いと犯し喘がせたいという考えが交差する。
欲望のままに行動すれば最低でも仕事をクビになるか、大神家のΩに手を出したとして法的ではない方法で殺されるか。
運転手はそれでも良い、と思ってしまう。
それほどまでに、このΩは、美しい。
乗り込んできてすぐに寝息を立て始めたΩはバックミラーで見ても、顔の造形ははっきりしていて、しなやかな手足は細くβの俺でも掴めば折れてしまいそう。
首にあるプロテクターはきっと高級品だろう。
βにはうなじを噛んでも意味はないが、人生で一度でも体験できるなら噛んでみたい。
完全に眠りについたのを確認して、カーナビを操作する。
今まで客を乗せてきた道で人通りが少なく、大声を出されても不審ではない場所を探す。
する事を済ませたら、家にでも監禁してしまおう。
警察が動くのは早くても一週間後か……いや、大神家が関わるのだ、もっと早いだろう。
あの大神家が何処まで干渉してくるのかは分からないが、見つかるまでは十分に楽しめる。
このΩは男だが、それを気にさせない。
それに、男でも濡れるんだから面倒な準備もいらないし。
過去に通ったことのある道で、人通りが少なく大声を出されても誰も気にしない場所はラブホテルや風俗店が多く建ち並ぶ通りから少し裏に入った所にあった。
車でヤるのは少々狭いが、今気にすることではない。
ウィンカーを消し、スヤスヤと眠るΩを起こさないように安全運転で進む。
すでに反応しかけた自分のモノを収めるように息を吐く。
楽しみは目前にある、今は耐えろ。
ここで襲って学園に逃げられでもしたら、警備員に殺される。
再度バックミラーでΩを眺める……あぁ、美しい。
舌なめずりをしながら車のスピードを上げた。
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