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Ωの価値-9
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せめて、腕だけでも出すことができれば。
「あぁ?かなで…?はっ、それがお前の飼い主の名前か。でも、残念でした!ここはそういう場所だからな、誰も来ないし、見向きもしない。
それに、捨てられたんだから諦めて大人しくやられろ、よっ!」
「……ぃっ!」
急に頬を殴られた。
口の中で広がる鉄の味に目の前が真っ暗になった。
大神家からは捨てられて、学園を出て、帰る場所も無ければ頼れる人もいない。
Ωの私は、こうして生きなければならないのか。
全ては、私がΩだから。
止まらない嗚咽と涙が胸を締め付ける。
「そうだよ。大人しくしてれば痛くないんだよ。動くなよ、動けば酷くするぞ」
髪の毛を捕まれ低い声で命令される。
…………もう逃げられない。
暴力を振られたことで完全に恐怖に支配されてしまった。
頬がズキズキと痛みを増していく。
男は後部座席に移動すると倒したシートをもとに戻す。
その間も髪の毛を引っ張る手は離してくれなくて、逃がす気がないことを主張するかのように手に力が込められた。
「ぃっ……!」
「あぁ………最高だ……」
服のを無理やり脱がそうとしてきて、ボタンが弾け飛ぶ。
「……ゅ、許して…くだ、さ……ぃぎ!!」
一瞬だけ動きの止まった男に僅かな希望を抱き、逃げようと身体を捩るが、そう簡単に行くわけもなく頭を殴られた。
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