アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ボス-3
-
「やっ……!お願いします、私はもう……」
「澪、落ち着いて。大丈夫だから………牧島、手当」
「はい」
振り払うことができず、オロオロしている翔さんの隣を通り過ぎてソファに座らされた。
「澪、悪い様にはしない。今は大人しく手当を受けてくれ」
真剣な秋様にこれ以上暴れることはできない。
「っ………わかりました……」
「澪……」
ふっと身体から力が抜ける。
翔さんとの会話は楽しかったけれど緊張まではとけずに、疲れと心労だけがひたすらに溜まっていたようだった。
「翔さん、私は大丈夫ですから」
話が終われば、夏様方も納得するだろう。
発情期のきたΩ側にいてはいつ何が起こってもおかしくはないし、実際に傷つくのは奏様方の名誉だ。
白様はご自身が十神家の跡継ぎなので例外。
自分がΩだと理解したときに奏様には死んでも迷惑をかけないと誓った。
決して、邪魔にだけはならないように。
私にとっての奏様は私の命も同然なのだから。
それなら、私から離れたほうが私の心も奏様も楽に終わらせることができる。
これで、いいのだ。
誰も不幸になんかならない。
私は、同じ土俵には上がれないから。
「では、報告します。午前3時から下2人と見回りを始め………」
背筋を正した翔さんが報告書の様な口調で話し始めた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
121 / 523