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ボス-7
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それでいい、それでいいんだ。
「澪様、ホットミルクをどうぞ。暖まりますよ」
「っ!あ、すみません…私がやらなければならない事でしたのに………」
「いえ、澪様はあの大神家に連なる一族でしょう?私は夜神のお付きですから、立場は澪様のほうが上なのです。
………そうでなくとも、こんなに震え青い顔をして、お怪我をなされた貴方にさせる事などありません。どうぞこの牧島をお頼りください」
いつの間にか夏様と牧島さんは戻ってきていて、温かそうな湯気を立てたホットミルクが目の前に置かれていた。
………そんなにひどい顔をしているだろうか。
震えるのは、これから先の事が何も見えないからだ。
……………怖くて堪らない。
でも、耐えなければ生きていけないんだ。
優しく微笑む牧島さんにこれ以上何も言えずホットミルクを手に取った。
少し飲むとじんわりと暖かさが身体に広がって少しだけ安心した。
熱くもなく、ぬるくもない適温で飲み物を出せるのは慣れてなければできない事だ。
……………私も奏様が好きな温度を探すのに苦労したものだ。
ちびちびとミルクを飲んでいると、急激に眠くなる。
「あ、れ………?」
そこまで私は疲れていたのだろうか。
どうしよう、これから夏様にお金も渡さなくてはならないし、必要なものが何なのかも言わなければならない。
目を開けようと擦るがどんどん瞼が重くなる。
「………澪様、波に身を任せてください」
コップを牧島さんに取られた。
体を横に倒され、更に瞼が重くなる。
「んぅ………は、ぃ………」
襲いかかる眠気の波に、とうとう抗えずに意識を手放した。
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