アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
運命の番-8 (Side 翔)
-
「あの、ボス。Ωに必要な物って………」
「夏、眠ったぞ」
やっと話せると思っていたのに、声を被せたのはもう一人のボス、秋様だった。
2人は本当によく似ていて、喋っていなければ2年が経った今でも見分けがつかない。
だから、俺は纏めてボスと呼んでいるわけだが。
「っふぅ………なぁ、秋……どうなると思う?」
「………マズイだろうな。十中八九、あの運転手とその会社は潰されるだろうな………俺等も」
「良くて刺される、悪くて………噛まれる、かもね。澪の事となると見境ないから」
詰めていた息を吐いた夏様はよく分からない会話を始めた。
「澪はどうしたんですか?眠ったって……」
最後の澪は全然眠そうなんかじゃなかった。
「あぁ、まだ居たんだ。少しだけ睡眠薬を飲んでもらったんだよ………起きてるとまた無茶しそうだし、何より最悪の事態を避けなくちゃならないから」
何だか今日はボスの俺に対する扱いが酷い。
極上のΩを取られたからってそんなする事は無いだろう。
………って言うか今、とんでもないことを聞いた気がする。
「何で、澪に睡眠薬なんか………普通に寝かせてあげれば良かったでしょう?何故そんなことを……」
「起きて逃げられでもしたら、殺されるからだよ」
抗議のために軽く夏様を睨む。
「翔、お前は澪を狙っているな?」
その瞬間、秋様から核心をつく質問が飛んできた。
嘘をついても、この双子にはバレるから…………。
「えぇ、澪は俺の番にします」
正直に話した。
「お前の、命を救う為だ、諦めろ」
すると、返ってきた答えは予想していたものと似ていた。
「いくらボスだからって、これだけは譲れません。フェロモンでは負けましたけど、俺を選んだのは澪自身です。…………それとも、命を救うなんて……脅してでも奪い取るんですか?」
Ωを前にしたαは攻撃的になると教科書にあって、今はその感覚がよくわかる。
本能がそう言うのだ、Ωを手に入れろと。
「違う、俺らが言うのは………」
prrrrrr、prrrrrrr!
その時、机にあった夏様のケータイが今の緊張状態をぶち壊すけたたましい音を鳴らした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
133 / 523