アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
帰宅-6 (Side 奏)
-
すぐには分からないことだろうが、澪が熱を出しているのでついでだ。
「では、お部屋に必要なものをお運びしておきます。なにか御用でしたら、ベルでお呼びくださいませ」
リビングの前まで来ると扉を開け、側仕え達が深々と頭を下げた。
家族団らんの際に部屋に入れるのは側近の宝生家のみで、ベルで呼ばれるまでは隣の部屋で待機だ。
大神家では会社や一族の情報が漏れることを常に意識していて、会話に参加できるのは産まれたときからの専属である宝生家だけで、唯一、心から裏切らないと思えるからだ。
澪が小さく動いた。
この場所なら雅さんと父さんがいるから取り乱して直ぐに逃げ出したりはしないだろうけど、それは逃げ道を潰しているようでいい感じはしない。
ちゃんと、澪が自分の気持ちに整理をつけることができて本音で語ってくれる場を用意しなければ。
宥めるように額にキスを落とした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
149 / 523