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蒼さんの診断-1 (Side 奏)
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立ち上がった蒼さんと別室に移る。
そっと雅さんが付いてきていたので、父さんが仕掛けたのだろう。
澪の話だ、雅さんにも聞く権利は順分ある。
「さて、僕から聞きたいことは沢山あるんだけど………まずはガーゼ換えようか、血が滲んでる。腕に縫うほどの怪我をしたのにずっと澪君を抱えてたんだろう?」
「………はい」
先程のピリピリとした感じではなく、ため息を付きながら仕方なさそうにジト目で見られてしまう。
頭が上がらない……。
いつの間にか雅さんの手には蒼さんのカバンがあって、それから蒼さんは道具を取り出すと俺に腕を差し出すように言う。
「白から聞いた話では……」
俺から血を抜きながら、白から聞いたであろう話を掻い摘んでしてくれた。
「まぁ、そんな感じです。白が話した通り、澪にはΩ用の抑制剤を飲ませました。でも、フェロモンは収まるどころかさらに増えて………正直耐えられそうにありませんでした」
普通のΩの発情フェロモンなら、俺は遮断することができる。
これもα教育の一つで、Ωの急な発情で自身が振り回されないための訓練だ。
将来受け継ぐ大神コンツェルンにはΩの社員も少なからずいて、αに遭遇しないよう別途にビルを用意しているものの、上に就けば会わないわけにはいかない。
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