アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
蒼さんの診断-6 (Side 奏)
-
傷の手当と採血を済ませ、点滴の用意をし始める蒼さん。
「……あぁ、もしかするとあのデフが朱目を澪に使ったから………」
「え、デブって誰?」
「一月前に学園に父さんの代理で来たんですが、役に立たないただのデブでした。
父さんが推薦したやつじゃ無かったので………詳しくは何も。あまりにも間抜けでαと言う事を忘れていました。ちょっとしたスキに澪が朱目の支配を受けてしまって………」
「そっか……もしかすると、それが引き金になったのかもね。Ωにとって、朱目で支配されるのは本能が従ってしまうことだから一時的なものだったのかもしれない。ただ、これで発情期が終わったってはっきりは言えないから、奏君も注意してね」
点滴が抜けないようにネットをつけて毛布をかけ直した。
直ぐに中に潜った澪に笑いながらゴム手袋を外す。
「分かっています」
「本当に?今の君にこれ以上抑制剤は渡せないから、万が一、澪君に発情期がきたら下働きのβに任せて我慢できないなら君は離れ過ごしてね。
じゃないと澪君を傷つけることになるし、君も傷つく。…………僕の言うことが聞けないなら、さっき言ったことほんとにやるからね」
そんなに顔に出ていたのだろうか。
まぁ、蒼さんの言う通りだから仕方がない。
「じゃ、先に戻ってるよ。暫くしたらまた呼ばれるだろうから今は二人でゆっくりしててね」
ひらひらと手を振りながら部屋を出ていった蒼さんの気遣いがありがたい。
澪が眠るソファの前に行き、床に膝をつく。
毛布をめくると点滴をしたからか、先程よりも顔色が良い。
額にキスをして、暫くその可愛い寝顔を眺めていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
160 / 523