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姉と父-6 (Side 奏)
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でも、やっと口に出すことが出来た。
人は他人に目標を予め言っておくと達成しやすくなるらしいからな。
強がりとでもなんとでも言えばいい。
澪が手に入るのならどんな事も耐えてみせる。
「やっと良い顔になったじゃない」
「あのヘタレがこんな顔するのね〜」
「なんかムカつくわ」
父さんに諭されて出て行く間際、頭を小突かれた。
小さい頃、護身用に身につけなければならない武術でボコボコにされ拗ねていた時によくやってくれたものだ。
………こんな時ばっかり姉さんしてんじゃねぇよ。
口に出したが最後なので心の中で愚痴る。
「本当に男らしくなった。澪ちゃんがどんな返事をしても、奏は自分の思いを貫くんだよ」
「………分かってる」
最後に雅さんと出て行った父さんにもそう言われ、むず痒い感覚に頭を搔く。
「澪には見られたくねぇな……」
なんだかんだ言って、自慢の家族なんだ。
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