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目覚め-1
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『澪は………好きな人いるのか?』
何時も堂々としている奏様が、珍しく口籠りながら聞いてきた。
鍛錬後だからか、顔も赤い。
『居ませんけど……どうして?』
『………いや、何でもない』
奏様の専属になって5年目の春。
白様は一足先に高等部の授業内容を終わらせてから中等部の生徒となり、私達の習う授業もいよいよ高等部の内容の終わりに入ろうとしていた頃。
不意に尋ねられたその言葉はなんとなく心に残り、モヤモヤとした感情が消えなかった。
その頃からだ。
奏様を+αとして。
Ωである自分とは異なるお方であることを。
番という言葉を意識し始めたのは。
格好良くて、強くて、Ωにも優しい奏様。
初めて料理を食べていただいた日から、あなたの為ならこの命、捨てても良いと誓った。
私の、大好きな、奏様。
もう、手の届かないところに行ってしまわれた……。
願いは届かないのですか。
神様はいないのですか。
貴方という心の拠り所を失った私は。
どうやって生きていけば良いのですか………?
………………教えて、誰か………
………助けて……………奏様。
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