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目覚め-6
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聞きたくない。
お願い。
愛しさが、好きが、決壊寸前。
嫌だ
嫌だ
ダルい身体を引き摺って着の身着のままドアへと近づく。
「……っ!澪!」
「…っぅ…………」
呼ばないで………!
もっと、辛く、なる………
ドアはすぐそこにあって、それを抜ければ書斎があって、そうしてやっと廊下に出られる。
大旦那様に見つからないように出るには、どうすればいいだろう。
今の私がこの屋敷に居るのは、おかしいこと。
傷が開いたのかズキズキと頭が痛む。
全速力でドアに近づいているはずなのに、奏様がすぐ後ろまで来ている。
「どこ行くんだ、澪!?」
「ぁぅ……!」
ドアノブを握ろうとした手はその直前で奏様に掴まれた。
上手く力の入らない身体がバランスを崩し奏様の方
へ倒れてしまう。
「うぉ……!」
奏様も予想外だったのか、バランスを崩して共に床に倒れ込んでしまう。
来るであろう衝撃に目を瞑ったが、そんな痛みはいつまで立っても来ない。
「ふぅ…大丈夫か、澪?」
温かな身体が背中を包み込んでいた。
「あ、ゃ……!」
駄目だ、駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ!!
目の前に広がる大好きな奏様の顔が心配そうになり、封をした想いに広がるヒビが大きくなり始める。
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