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部屋の中に入ると洋風の作りになっており、7畳程の部屋の中にベットが1つと棚、机等が置いてある簡易的な部屋だった。
ドアを閉めるとふぅと一呼吸おき、フードをとりマントを脱いだ。マントをハンガーに掛け杖は別空間(保管庫)に放り込みベッドに倒れこむ。
時刻は、16時位。夕飯まで残り2時間ある。それまでゆっくり寝る事にし目を閉じると簡単に意識を手放した。
ドンドンドンドン
外の音がうるさくて意識が覚醒する。
「ぅう…」
「氷雨さーん、ひ、さ、め、さーん」
ソルビルがドアを叩きながら氷雨の名を呼んでいる。ちらっと時刻を確認すると18時半を指していた。
ガバッと上体を起こしソルビルに返事をするとドアの音が止んだ。
急いでマントを着てフードを被った。
ドアを開けるとソルビルが安心した様な顔をしていた。
「すいません。寝坊しました」
「疲れていたんだろう。しょうがない。さ、食堂に行くぞ。みんな待ってる」
食堂に着くとギルドの面々が待ってましたとばかりに迎えてくれた。ソルビルに促され空いている席へ並んで座る。辺りを見回しみんなが揃った事を確認するとソルビルは、酒を持ち1人で立った。
「待たせてすまない。お腹が空いてるところ悪いんだが、今日から新しいメンバーが入った。氷雨さん自己紹介して貰っていいかな?」
「お待たせしてしまってすいませんでした。今日から入団した氷雨です。よろしくお願いします」
すると各方面から歓迎の拍手が起こる。
「よし、じゃあ新メンバーにカンパーイ」
乾杯後、待ってましたとばかりにガツガツと飯に食いつくメンバー達。
その光景を申し訳なく思いながら見渡しているとソルビルの隣に座っている男と目があった。依頼人が言っていた副団長の優人だ。サラサラのクリーム色に金色の目、はっきりとした目鼻立ち。確かにイケメンだ。だが、氷雨を見る目が鋭い。
「お前、そのフード脱げよ」
「…お…わ、私、極度のあがり症で顔を見せるのが苦手なんです」
「ふーん?さっき、堂々と挨拶してた様に見えたけどな?」
背中を嫌な汗が伝う。できる限りフードを脱ぎたくない為の言い訳だったが脱がなきゃいけない雰囲氣だ。周りの連中も何事かとこちらを伺っている。
「まーまー優人。女性に服を脱げなんて失礼だぞ。無理強いもよくない。紳士にならんとモテないぞー?」
「団長!」
周りがどっと笑いに包まれ、どうにか難を逃れる。
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