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鳥のさえずりと窓から差し込む日差しにより意識が覚醒した。
時刻を確認すると朝6時
昨日のお酒はすっかり消え気持ちのいい朝だ。窓から外を眺めると丁度中庭の様子が見え、優人が鍛錬をしているところであった。
これはいい機会だと中庭に赴く。
出来るだけ足音を消して近づいたが、丁度中庭に出る戸口の所で優人が振り返った。
それに少々感心しつつ、おはようございます。と述べるとあぁと端的に返って来た。
「朝早いんですね」
「お前もな」
「私は丁度目が覚めたんです」
「そうか」
「………」
気まづい。ってか、素っ気ないなこいつ。
良いチャンスだと思ったんだが、誤算だったか?
どうしようかとあぐねていると、優人から逆に声をかけられた。
「お前、俺のファンか?」
「は?」
突拍子も無い質問に思わず素の声が出てしまう。
「昨日、夕飯の時俺の事聞き回っていたらしいな」
昨日と同じ金色の目で、鋭く睨んでくる。
「聞き回っていたというわけでは…」
「俺の事好きだか何だか知らねーけど、そーゆーストーカーみたいな奴大っ嫌いなんだよ。目障りだからこれから俺の近くに寄るなよ?」
それだけ言い残すと優人は、館内に入って行った。
氷雨は優人を呆然と見送った後、すぐ部屋へと戻った。そして被っていたコートをベットに叩きつける。
「なんなんだあいつは!勘違いも甚だしいんだよ!俺もお前なんか大っ嫌いだよ!」
優人の印象は一気に最悪になった。そして、残り5日も持つか不安になったのであった。
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