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結局、今日は何も収穫が得られぬまま夜になってしまった。元々集合場所にしていた移動石近くでキャンプをはり野宿をする事になった。
他のグループも未だ手がかりをつかめていない様子だ。
フロア毎によって土地や気温、天気が違うためラスボスが見つけられないという事態はよく起こる。今回もその一例の様だ。
だが、氷雨は残り2日しかいない予定の為明日には見つけたい所だった。
明日も早い事から早々におひらきになり、各々キャンプの中に引っ込む。氷雨はハンナ達女性陣のキャンプへと入ったがいたたまれなくなり、隙を見て抜け出した。
少し離れた見渡しの良い丘の所に座り込み空を眺める。塔の中だと言うのに天井に映り出されている夜空がすごく綺麗だ。らんらんと輝く星を見ながら物思いに耽る。
「眠れないのか?」
「…ソルビル…団長」
氷雨が座っている大岩の横に腰を下ろすソルビル。
「団長は、トイレですか?」
「まあ、そんな所だ」
「1つ…聞いて良いですか?」
「何だ?何でも聞いてくれ」
「どうして団長は、希望の光を作ったんですか?」
「この塔にいる人たちの希望であり光でありたいからだ」
「なるほど…」
綺麗事だな…。
「ってゆーのは、建前で自分の為だな」
「えっ?」
「元の世界に戻りたい。いつになるか分からないが、あいつらがまだ生きてるのかも分からないがな」
いつも豪快に笑うソルビルの顔は、哀愁が漂っていた。
「最初は、俺みたいな奴らだけで結成したんだがないつのまにかこんなデカくなってしまった」
「だから、移住民のみ加入を認めているんですか?」
「ああ、幸い俺たちは死なないからな」
死なない…ね…
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