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アンドレア視点
式典は順調に進んでおり、国民達の賑わいでお祭り状態になっていた。
国王である父親の悪行を正そうとやっとの思いで今日を迎える事が出来た事で浮かれていたのか、アンドレアは今窮地を迎えていた。
気づかなかった自分にも責任があるとはいえ、実の息子に毒を盛る隣の国王に怒りを覚える。かといって取り乱してはこの男の思う壺であろう。
だが、出生柄毒には耐性のあるアンドレアでさえキツイ毒を盛られたようで嫌な汗が身体中から吹き出る。そろそろ本気でやばいと席を外そうとした時、
「お水をおつぎ致します」
給仕の女が現れた。
「はい、お願いします」
女がグラスに水を注ごうとした瞬間、ポットが当たりグラスが床に落ちてしまった。水が盛大に飛び散りグラスが粉々に割れる。
「大変申し訳ありません!アンドレア様、お体は大丈夫ですか?」
女は手を握り私の安否を尋ねてくる。
「えぇ、大丈夫です…」
「嘘つけ…苦しいくせに見栄はりやがって」
「え…?」
「だがお前のその姿勢嫌いじゃねーよ。これで楽になるだろ」
目の前の女…嫌、給仕に扮した気分屋の氷雨が触れている手からさーっと冷気が走り体が一瞬で楽になった。
氷雨が治してくれたのだと悟る。礼を言おうと口を開こうとしたがしーっと口を紡ぐ様に合図された為そのまま閉じた。
そして、グラスを新しいのに変え床を綺麗にすると氷雨は去って行った。
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