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それはそれで辛い生活4
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恐らく俺が笑った声は聞こえていた
が、何の反応もせずに涼太はレジに向かおうとした
そちらを見ると手にはコーラと、律儀にゴムの箱が持たれていた
「ぶはっ、も、だめ、ククッ」
上等だ、やってやろうじゃねぇか
そんな涼太の内心が聞いて取れるようだった
本当に分かりやすいやつ
「〜っ!お前、笑ってんじゃねぇっ」
耳まで熱くして笑っている俺を無視できなくなったのかこちらに歩いて来る足音が聞こえた
目の端に浮かんだ涙を拭く
「いやぁ、笑い泣きとか、久しぶりすぎて、ぷっ、ダメだ、顔見れねぇっ」
笑い過ぎてお腹も痛いし足の力も入らない
「っ、お前のせいだからなッ!」
胸ぐらを掴まれ至近距離から真っ赤になった顔が見えた
恐らく俺も笑い過ぎで顔が真っ赤だろうが
「ふっ、何、責任でもとって欲しい訳?」
何とか笑いを消し去り涼太にだけ届く声でそう聞く
涼太はそれを聞いて顔を伏せた
ギリっと奥歯を噛みしめているのだろう
掴まれていた腕の力が緩んだ
そして唐突にパーカーのフードを被り顔を隠した
「‥会計」
そのままレジの前に歩きそう言う
「は、はい」
華絵ちゃんと女の子は先ほどの出来事を訳も分からず見守っていたがその言葉で動き出した
「ちょっとぉ、待ってよ、涼太」
会計を済ませた涼太の後を女の子がついていった
俺はそれを無言で、というよりなんと声をかけていいか分からず出て行くまで見ていた
「海野さん、さっきの誰ですか?」
「ただの知り合いだよ」
それだけの答えに不服そうにするが深くは聞かれなかった
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