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それはそれで辛い生活6
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その数日後、結果がスマホに受信されたが案の定俺は受からなかった
「けっ、別にいいし、他を当たるし」
強がっては見たがそんなに高収入の仕事は他にない
「あー、受かりたかった…」
本音はやっぱり…というやつだ
受かるとは思っていなくても少しは期待していたのだ
「まぁいいや、またいい収入の仕事も出て来るだろ」
人生諦めも肝心だ
「うっそぉ」
それからまた数日後、スマホのアラームで目が覚めスヌーズを止めて通知が来ていたメールを開くと繰り上げ合格として話を聞きに来れるように日程を教えてください連絡があった
「なんで、え、なんで?」
あんなにプロっぽい人達が沢山いたのに俺が合格?繰り上げでも信じられない
これは裏に何かあると踏んだ
が、金は欲しいもので次の日俺は前川家の本邸に来ていた
「どうぞ、こちらが使用人の屋敷です」
本邸に来ていたが、そこはスルーして奥の方の本邸に比べたらだいぶ小さいがそれでも普通の家より大きな屋敷に通された
「すみません、一ついいですか?」
「何でしょう」
2ヶ月間の雇用契約書にサインする前に俺は聞いた
「他の人は何でやめたんですか?」
「…それはこれからお話するつもりでした、本当に、厄介な話なんですが…」
「何ですか?」
「皆さんが辞めていく理由です、坊ちゃんがワガママを言い過ぎて疲れると辞めていかれるのです」
「と言いますと…?」
「元々雇っていた専属運転手は前川家でも長く働かれていたベテランだったのですがお付になってから1週間でもう無理だと辞退されました。その後も1年間は派遣を雇ってはことごとく…それから運転手業界の中で前川家の坊ちゃんはブラックリストに載せられまして」
「成る程、だから一般からも募集していたんですか」
「ええ、しかし業界の方は坊ちゃんが相手だと聞くと辞退し、一般の方もこの話を聞いたり他の方を見て辞退して、その繰り返しです」
「成る程、成る程」
「これ以上坊ちゃんの運転手を雇う時期を遅らせたら旦那様に何と言われるか、、あぁ、考えるだけでも頭が痛い」
なんか、頭を抱えてしまった執事さんが気の毒に思えて来た
「ちなみにその坊ちゃんって」
「次男の涼太様でございます、少々暴力的と言いますか、不良なので皆んな怖がってしまって…挙句にスピードを上げろだの遅刻しそうになると間に合わなければ給料はないだのクビだの極度のワガママを言うので皆んな辞めるのです」
「そうですか」
内心やっぱりなと思っていた
「良いのですよ、辞退すると言っても」
俺に逃げ道を与えながら執事は悲しそうだ
というかワガママを治さなければ更生は出来ないかもしれないし、これはまたとないチャンスだ
「やりますよ、俺も金に困ってるんでね」
笑って契約書にサインした俺を物凄くキラキラした目で見てくる執事さんは何故か可愛く感じた
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