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そんな事は知らなかった4
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「なんでお前まで居るんだよ」
予定の時刻より前に俺たちは蛇飼組の本拠地の大きな日本家屋の前にいた
「運転だけして来てこんな面白そうなこと黙って見てられるか?まぁ、心配してくれてありがとな」
俺はそう言って笑った
「そう言うのいいから帰れ、お前には関係ないんだよ」
冷たくあしらっているように聞こえるが多分こいつなりの優しさというやつだ
「ところで田丸ってやつは何処?連れて来なくていいの?」
「アイツは組に軟禁されてるって聞いた、震えて何も話さねぇから俺が呼ばれたらしい」
涼太は少しだけ集会に出たりして情報を嗅ぎまわっていた
もちろん同行するつもりだった俺は、周りを混乱させるかもということで毎回車の中に置いていかれていた
「ふーん」
「帰れよマジ、運転手が同行とか聞いたことねぇぞ」
「だったら教育係かなんかだと思ってろ」
しつこい涼太に耳元で少し低い声で言った
「お前何で知ってっ」
そこまで言ったところでぎぃーっと音がして重い門が開いた
門の内側にはあの時の赤木さんが居た
「時間だ、入れ、、ソイツは?」
入れと言って来た赤木さんは康太をジロッと睨んだ
「俺のSPです、どうしても俺を守りたいらしいんですが…扉の外に待機させといてもいいんで」
「ふん、前川家の坊ちゃん、そういうのは今回だけやぞ、次は一人で来な、まぁ次があったらの話やけど」
「はい、有り難うございます」
長い廊下を奥へ奥へと歩いて行くと襖の前で赤木さんが止まった
「涼太、お前一人で入れ、組長がお待ちだ」
「はい、失礼します」
そう言って赤木の開いた襖の中に入っていった
その瞬間にチラッと見えた中には何人もの男が円を囲んで座って居た
円の真ん中には2つの座布団があり片方は恐らく田丸という奴が座っていた
そして部屋の奥には見慣れた顔があった
その中に涼太だけが入り襖がしまった
「お前、何もんや」
赤木さんと2人だけになるとそう聞かれた
「え、っと、涼太様のSPですが」
「SPがそんな格好するのか」
指摘された格好を見ると運転手の手袋までしたままの格好だった
「あー、運転手兼SPなので」
俺がそう答えるとそんなものなのかと興味をなくしたようだった
襖を一枚隔てただけの中からは静かにしていると鮮明に会話が聞こえた
どうやら犯人像や出来事の報告が終わり2人して周りに責められているようだった
自分が何をしたか分かってんのか?責任はどう取るつもりだ?みたいな感じで
そんな中でも涼太は田丸を庇っていた
「責任なら俺がとります」
「ほう、どう取るつもりや」
「何でもします、何かあった時に俺一人サツに突き出してもらっても構いません、金を取っても構いません、コイツは見逃してやってください」
多分、涼太は今土下座をしている
あの野郎この手のプレイには慣れてやがったか、そんなことをこの状況で思うのもだいぶヤバいか…
急に中が静かになって何事かと思うと聞き慣れた声がした
「坊主、確か前川家の次男坊だったろ、責任取るんやったら今自分が言ったこと行動に移せるよな?」
「はい、何でもします」
「だったら小指詰めてもらおうか」
「は?」
これには流石に涼太も驚いた
「サツに突き出しても金を取ってもいいってな、テメェなめてんのか、そんぐらいならテメェの同意なしでもやったるわ、でもよ、そんな話じゃねぇんだよ、これは信用問題なわけ、悔しかったら犯人捕まえて信用取り戻してみ」
「はい」
どうやら小指を詰めろというのは例えのようだ
「それまでは田丸はうちが預かっとくわ、密売の大将と交換でな」
「はい」
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