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俺の兄貴は 早乙女 蓮
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まだ薄らと寒さが残る朝
ベットから起きようか起きまいか悩む。
正直まだ布団から出たくない。
あともう少しだけ!と、
ゴロゴロとしているうちに、二度寝してしまったらしい。
いつの間にか、ビスクドールの様な整った美しい顔が俺の前にあった。
銀髪で艶のある髪に、桃色の美しい瞳。
白く透き通った肌。
どうやら俺を起こしに来てくれたようだ。
ただ、起こしに来てくれるだけなら良いのだが
唇に暖かい感触が広がる。
これがこの人の起こし方だ。
もう、この起こし方をされてだいぶ年月は経つが
俺には慣れるというものがないらしい。
「おはよう、結城。起きた?」
…そして、この人が正真正銘俺の……
「おはよう…お兄ちゃん」
兄貴なのだ。
小さい頃から親が留守がちであり
兄が俺の面倒をよく見てくれていた。
何でもこなす姿は
まさに、俺の母であり父であるようだが
こんな恥ずかしいことを毎朝してくる兄は
きっと、兄なのであろう
って俺なに訳わかんないこと考えてんだ?
兄なのであろうって当たり前じゃん!
兄の突然のキスで起こされるのも、
そのキスでわけのわからないことを考えるのも
僕の日課である。
兄に愛されすぎ て困っています…笑
またくだらないことを考えていたら
「結城ー?
そんなに起きたくないんだったら」
体が浮く感覚がある。
「お姫様抱っこして下に連れていくからね?」
こう言い出すと止まらない…
暴れるのも危ないから大人しく俺は収まっている。
小さい頃、お姫様抱っこは女の子にやるものだという固定概念があったから、
兄にやられた時、大暴れして落とされたことがある
この時から、俺は暴れるのをやめた。
あの時は相当痛かった…
だから、いつもは兄にやられる前にはベットから起き上がるのだが…
今日は気分が弾んでいたからかすっかり忘れてしまっていた。
気分が弾んでいた理由?
だって、それは!
今日は4月4日!
つまり、俺達の学園の始業式!
=高等部生活の始まりだからだー!!!!
新学期特有の新しい感じが起こる気がするってやつ
頬を緩ませながら兄に抱えられていると、
またキスをされた。
「そんなに僕にキスをされたいのかな?」
整った顔にこの声と来たら、
全く朝から毒だ
それに俺も兄のことが好きだから拒めるはずがない
こうして、今日も美しすぎる兄
【早乙女 蓮】によって1日が始まるのだった。
【 蓮 視点 】
まだ寒い朝が続きそうだな。
僕は目覚まし時計を止め考える。
今日から 結城 は高等部にあがる。
それが、僕には不安で仕方がないのだ。
僕らの通う学園は女子がいないが普通にカップルはいる。つまり、男子同士での付き合いがあるということだ。
もちろん、僕も同じクラスに 桜庭 翔 という
彼氏がいる。
きっと、結城はまだ気づいていないはずだが…。
この学園は、
中等部と高等部が離れて位置している。
きっと学校側が配慮したのだろう。
高等部のカップル率は本当に高い。
今日から始まるの高等部生活を、
結城はものすごく楽しみにしているが
僕にとっては少し不安が残る。
結城は人の目を引く美しさをもっている。
艶のある金髪の髪に、エメラルドグリーンの瞳
透き通った白い肌
全て僕のものにできたら…。
今、結城の目には僕しか映っていないはずだ。
だが、その綺麗な瞳が僕以外の誰かを映すようになった時…。
まだ、そんな心配をするには早かったかな。
眠い目を擦りながら
僕は弟を起こしに行くのだった。
【本編】
お姫様抱っこから降ろされた俺は、
とても美味しそうな匂いに朝から感動する!
「お兄ちゃん!
この匂い!もしかしてオムライス!?」
俺はオムライスが大好きなのだ。
「相変わらず、結城は鼻が良いなぁ~
まるで犬みたいだね」
そんな会話をやり取りしながら2人で一緒に朝ごはんを食べた。
途中、兄宛の電話が掛かってきて、
席を立ってしまったが…。
だが、そんなに時間が経たないうちに兄は戻ってきた。
どうやら、いつも一緒に学校へ行っている人との約束を断ったのが原因らしい。
俺は初めての高等部生活になるので
兄に一緒に行ってほしいと甘えてしまったことを
少し申し訳なく思った。
「お兄ちゃん、友達との約束ごめんね?」
「結城はそんなこと気にしなくて大丈夫だよ」
と言って頭を撫でられた。
兄の優しさにまた救われてしまった。
ご飯を食べ終わった俺たちは学園へ向かう準備をするのであった。
【桜庭 翔 視点 】
今日から新学期、
学園は昨日まで春休みに入っており
僕は蓮にあまり会えないことを寂しく思っていた
そんな矢先、朝携帯を見ると蓮からL〇NEが入っていた。
『今日の朝一緒に行けない。ごめん』
会いたいと思っていたのは僕だけだったのかなぁ?
このL〇NEを見た時僕は泣きそうになった。
でも、蓮にも何かあったのかもしれないと思いすぐに電話をしたのだった。
【 早乙女 蓮 視点】
まさか、結城と食事している最中に電話がかかってくるとは思いもしなかった。
少しイラッとしたが携帯の画面をみると
『翔』の表示があり慌てて電話に出た。
僕のL〇NEが原因だった。
翔に一緒に行けない理由を話すのを忘れていた。
一緒に学校へ登校することを大分楽しみにしてくれていたらしい。
泣きそうな声で電話してきた翔を可愛いく思った。
僕も翔には早く会いたいということを、
電話でしっかりと告げた。
弟と一緒に学校へ行く経緯までをしっかりと告げた
翔は僕も一緒に行くと言い出すかと思ったがあまりにも納得が早かった
電話を切る前に翔は
『話によく出てくる結城くんのことか。
お兄ちゃん、弟のこと大好きだね』
とからかってきた。
元気そうになって本当に良かった。
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