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高等部
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兄と一緒に家をでた俺は高等部のあるいつもとは少し違った道を歩く。
同じ学園なのに、敷地が足りなかったのか高等部だけ別の方角に建てられている。
高等部からは1人暮しや寮生活になる人が何故か多いのだが、俺たち兄弟の場合は家から通えるので今までと生活は変わらずに済みそうだ。
学園へ向かう道はなから一本道で迷うことはないのだが、覚えるように歩いていると
僕の目の前にピンクの花びらが舞い落ちてきた。
桜だ。
とても、綺麗だ。
兄もそう思ったのか目が合った
兄は桜が似合う。
よくわからないけど
ふと そんなことを思った。
昇降口へ向かうと何やら校舎の前に人だかりが出来ていた。
俺はその光景がとても目新しく思い少し立ちすくんでしまった。
そんな俺に気づいた兄は俺を気遣うような言葉をかけてくれて、再び歩きはじめるのだった。
校門を潜ると、何やら行き交う人がこちらを見てくるのがわかる。
兄の容姿はやはり目を引くようだ。
それだけでなく、兄には人望が厚いらしい。
大勢の人に声をかけられ一々丁寧に返している。
でも、視線を集めているのは兄だけでなく俺もだった。
人の中を通り過ぎていると
「蓮さんの隣を歩く綺麗な方はだれ?」
「話しかけてみてよ?」
など、俺のことも話題にされているようだった。
中等部にいた頃も俺の容姿は目を引くことが多かったが、高等部は規模が違う
やっぱり、新しいことが何か起こりそうだ。
僕と兄は本来5分程でたどり着けそうな校舎までの道を15分くらいかかって辿り着いた。
兄が家を出る前に
「校門を潜ってからが長いから覚悟してね」
と言っていたのはこのことだったのか。
今さらになって理解した。
校舎の前の人だかりに近づき、
何があるのかと兄に聞いたところ
俺達一年のクラスが記されているらしい。
ちなみにこの学園では高等部のクラス替えはない。
誰と一緒になるのかとワクワクしたのだがこの人の多さでは、当分見えそうにない。
すると、後から兄を呼ぶ大きな声がしたのであった
「蓮!おっはよう!」
と言いながら抱きついている
俺の兄に親しいこの男は誰だ?
と思い兄に向かって口を開こうとした瞬間
前の人だかりが左右に分かれていた。
さっきの大きい声を聞いて後ろを振り返ったのか
俺と兄の前にいた大量の人だかりはクラス発表の書かれた紙までの道へ、
人の壁が出来ていたのだった。
兄もこの状況には驚いていた。
少し申し訳なく思ったが、
クラスが分からないのはたいそう困る。
人の壁の中を歩かせて貰って俺はクラスを確認した
クラスは1-Aだった。
クラス数は4クラスあるらしい。
Aクラスに誰がいるのか少し気 になったが、
人の壁からの威圧というかなんか気を感じ
俺は兄の元へすぐに戻り、
人の壁達へ「ありがとう」と微笑みながらつげた。
この日から俺は『爽やか王子』としてのあだ名?をもつ。
今の出来事が大きすぎて、
兄に抱きついていた人のことを聞くの忘れてた。
いつの間にかその人は姿を消し兄に教室まで案内してもらった。
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