アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
デート
-
初デートを前に、男はこうなるのだろうか?
部屋のベットにありったけの服を広げて唸る僕。これではむしろ女の子?いやいや好きな人と初めてデートだったらかっこ良くしたい。って、付き合ってるわけではないんだけど…。なんで急に出かけるなんて?あー、やっぱり昨日の檜山君が関係あるのかな?まっいっか、なんでもいいや、
こっちの服にしようかな?
待ち合わせは校門に1時半、まだまだ余裕、だけど早く行って待っててみよう。
門の前に行ったら、すでに戀兎がいた、慌てて駆け寄る。
「有馬先輩!?」
「あれ?早いね」
慌てた僕に、ふふっと笑った戀兎、時計は13時3分を指していた。
戀兎は、白いワイシャツに、淡いいろのベストをして、スリムなズボンを履いていた…オシャレなかっこうだった。
僕はぶなんにお気に入りのパーカーとジーパン…
僕って服選びのセンスない
戀兎カッコいい。
戀兎に連れられて町へ歩き出す。
そういえば、こっちに来て1ヶ月ちょい、僕は町へあまり来てない、檜山君に連れてきてもらって、ちょっと回ったことあるけど、あまり道にも詳しくない。
「火浦君は町に行ったことある?」
「うん、檜山君が、2、3回買い物に連れてきてくれた」
「じゃ、特に見たいものはない?」
「…本屋?前みたいに、先輩のお勧めの本読みたい」
「それなら、僕の本貸してあげるよ」
「いいの?やった」
はにかんで思わずガッツポーズした。
戀兎が嬉しそうにしているのが見えて、なんだかざわつく。
戀兎の表情が柔らかい…気がする。
そんな、会話をした後だったのに、なぜか今、本屋にいる。
「この数学の参考書わかりやすいんだよ、あとはこっちのも」
「有馬先輩、これって…」
「テストに備えて買い物」
キラリと爽やかな効果音がしそうな微笑みに、言葉が出ない。さすが戀兎先輩の真面目さん。
僕は戀兎に勧められた参考書と問題集を買うことにした。
「火浦君、クレープ食べる?」
「食べたい!」
本屋を後にしてトボトボしてたら、戀兎が屋台を指差して言った、目から星が飛び出すくらいキラキラとさせて答えると、戀兎が屋台でクレープを買ってくれた、僕はお店のお勧めのバナナキャラメルチョコっとクリーム。歩きながら食べようとしたら、戀兎に叱られて、近くの公園でベンチに座った、戀兎はクレープ買わなくて、さっき本屋で買った本を広げている。僕は甘いもの大好きだから、ぱくぱくしてたら、戀兎がクスクス笑い出した。
「ゆうちゃんは、相変わらずだね」
そう言って、僕の鼻を人差し指で撫ぜる。離れていった指にチョコクリームがついてて、あっ、て思ったら、戀兎がその指をパクと咥えた。
「甘っ」
甘っ!!仕草が甘!!
夕祐は、自分の顔が赤くなったのを隠したくて、残りのクレープを口に突っ込んだ、ら、むせた。
「ちょっ、火浦君なにしてるの?こぼれてる」
「げほ、げほ」
「ほらほら、ティッシュあげるから拭いて」
かっこ悪い。戀兎の中ではいつまでも僕は小学生みたいなんだろう、今日なんか、木登りで怒られて、服だって戀兎はスマートとだし、今だって食べ物こぼして…ああ、みたいじゃなくてそのもの?さっき本屋でモテる男子って雑誌あったけど、今度1人で買いに行こうかな。
「火浦君、食べ終わったなら行こう、いいところがあるんだ」
「へ?いいところ?」
公園を進んで行くと、さほど離れてないところに、公園内を真っ直ぐ小川が流れていて、その両脇にはびっくりするぐらい綺麗な桜並木が続いていた。
「うわっ……」
ちょー綺麗。
言葉に出なかった。
この時期にこれだけの桜が咲いていること、それがあまりにも綺麗で、
程よく吹く、風になびく枝、
ハラハラと枝を離れていく花びら、
小川に落ちて半分桜色の川、
そして、それを愛おしそうに眺める戀兎。綺麗すぎて、心が奪われる。
「気に入った?」
「……うん、うん」
「よかった、気分転換にどうかなって」
「え?」
ドクン!
自分の心臓が跳ね上がった。こっちがメイン?僕を?ここへ?
「檜山君、心配してたよ」
ああ、それで。
ストンと腑に落ちて、熱が引いた。
夕祐は、戀兎の手を握る。一瞬、ビクリとした戀兎の目をまっすぐ見つめ、微笑んだ。
「ありがとう、戀兎先輩、大好き」
戀兎が息を飲む、夕祐の眩しい笑顔に眉をひそめ、視線をそらした。
夕祐は、繋いだ手に力を入れ引き寄せる。戀兎が驚ろいて目を見開き、また夕祐と視線が合う。
「入学式の時みたいだね」
「あ、ああ」
戀兎の眉がよって、お決まりの微笑みを向けられて、チクリとした。
僕の口からスルリと出た言葉。
「あの時、僕と再会して、戀兎は、…嫌だった?」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
19 / 72