アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
告白
-
人気の少ない公園、しかし人はいる。
夕祐の質問に、戀兎が目を見開いた。
あの時と同じ。
なんて、答えるの?
「…え?」
まぁ大堂。
聞こえない振り?
夕祐は真剣な瞳で戀兎を見つめ、もう一度手に力を入れた
「僕と、会うの嫌だった?」
戀兎の瞳が揺れている
眉間にシワがクシャリとして
顔をそらした
一瞬、噛み合わさった歯が唇の間から見えて、何か言おうとしたが
戀兎が目を力一杯つぶった。
逃れようと手を引っ込めようとしたが、夕祐がそれを許さなかった。
「戀兎がいなくなったのは……
…僕のせい?……」
…
…
…
「ゆうちゃんのせいじゃない」
言い切って、視線が戻り、夕祐を見た。
「ちょっと」って手を惹かれて、物陰に入る。
「あれは、君のせいではないよ」
戀兎が一線引いたのが分かった。
今の間で立て直された。
崩れた表情が戻ってる、でも、夕祐は見逃さない、瞳はまだ揺れている。
「僕が戀兎を好きだからいなくなったんじゃないの?」
「え?」
「僕が、好きだ好きだって、言うからいなくなっちゃったんじゃないの?」
「え?ゆうちゃんに好かれていなくなるって、なんで?」
分からないって顔をした戀兎、
いつか言わなきゃ、真相が分からない、今ここまできたから、後には引かない、戀兎がとり違えている意味を、夕祐が正す。
「僕、戀兎が好きなんだ」
「うん、知ってるよ」
「学園には、戀兎に会いにきたんだ」
「?」
「恋愛感情で好きなんだ」
「え?」
「戀兎にキスしたいと思ってる」
強い衝撃で手が払われた
つッ!…
思わずふらついて戀兎から視線が外れた。
ズキリ…
大丈夫…想定内、男に告白されたんだ…これぐらい普通、気持ち悪がられて普通。
「……っだ」
戀兎が口を開いた
「……嘘だ」
罵倒されてもしかたない
「…そんなはず…ない」
そうなんだ、僕、戀兎のこと好きなんだ、ホモなんだ
「ゆうちゃんが…そんなわけ…」
戀兎ごめんね
それでも僕は…
意を決して戀兎を見る
「ゆうちゃんは…ちがうんだ」
な…に…?
戀兎の姿を捉えた夕祐は混乱した。
「きっと、勘違いだよ」
言葉とちぐはぐだ…
戀兎は右手で拳を作り、額にあてて苦悩している。
「ゆうちゃんが、僕なんかを好きなわけない…勘違いだよ」
顔が真っ赤だった
耳から鎖骨まで隅々真っ赤だった。
これは
羞恥?
それとも…
「れ…ん…」
「駄目だよ、勘違いだよ、ゆうちゃんはすり込みにあってるだけなんだよ、小さい頃僕と一緒にいすぎて、友情と愛情の区別がつかないだけだ、まだ子供なんだよ」
「僕、勘違いじゃないよ、戀兎が男だってわかってるし、キスもその先もしたい、ちゃんと好きだよ」
「違わないよ、その先って何のことかわかってないでしょ、気の迷いだよ、だってあんな…、違う…ゆうちゃんはダメだ…」
なに?話が噛み合わない。
「気持ち悪い?」
「え?ちが…あ、ちがう、そうじゃなくて」
僕と話してるのに、僕を見てない。
「僕、ちゃんと好きなんだ、戀兎と離れてちゃんと考えた、三年間ちゃんと考えた」
「男同士なんだよ、僕も、ゆうちゃんも、気持ち悪くないの?」
ズキン
「悩んだけど…戻ってきちゃうんだ、戀兎が好きだって」
「ほら、悩むってことは気持ち悪いんだよ」
なんで?
「だから、3年きっちり悩んで向き合って、戀兎が好きだって分かったの、僕はむしろ戀兎と、気持ちいことしたいの!」
「ありえない!」
あっ、伝わらなくて、言い方間違った…しまった、引かれた、僕のバカ!
「ご…ごめんなさい、言い方悪かった、ごめん、僕気持ち悪かったよね」
「違う!ゆうちゃんは気持ち悪くなんかない!」
ええ!?
なに??
「戀兎…なんか…話しが噛み合わない」
「噛み合わない?なんで?合ってるよ、ゆうちゃんは勘違いしてるだけ」
「だから、ちゃんと好きなんだって、なんで、僕の気持ちを戀兎が決めるの
?」
「おかしいでしょ?ゆうちゃんはちゃんと女の子を好きになるんだから」
「戀兎、僕が好きなのは、有馬戀兎、貴方だから」
「!」
「…戀兎が好きです。僕と付き合ってください」
夕祐が右手を差し出す。
ギョッとして戀兎が一歩下がった。
ジリジリと戀兎に下がられるたびに胸が痛む。
「…んな…僕に…」
消え入りそうな声で戀兎が何か言っている。
「う、そだ、…が、ホモ…なんて」
……
夕祐は押し黙った。
戀兎はうなだれて夕祐を見ようとしない、…いや…はじめから向かい合ってなどいない
拒絶
否定
確かに、あっておかしくない、でも夕祐の感じた違和感は大きくなるばかりだ。
「…うん…わかった」
夕祐は決意して笑った。
「僕、戀兎が好きだから、気持ちは変えられない、でも、気持ち悪くないように気をつけるから、好きでいさせてよ」
「え?あっ、ゆうちゃ…」
「ね?」
「ゆうちゃんは…気持ち悪くないから」
「ありがとう戀兎、あっ、有馬先輩、真面目に頑張るから、福リーダー下ろさないで」
「…うん」
「あと、いなくなったりしないで、嫌になったら、僕に言って、僕が学校辞めるし」
「いや、それは…」
「約束、ね」
「…うん」
夕祐がにっこりして、
手を叩く
パンっ
「はい、これでこの話お終い。…はぁ。綺麗な桜。…帰ろっか有馬先輩」
「…」
「帰ったらちゃんと勉強教えてくださいね、このままじゃ赤点とりそうだから」
「え¨!」
夕祐達は、来た道を戻っていく。
夕祐は静かなこの場所に居たくなかった、町中のざわめきがちょうどいい、意識をそらすには何か違う刺激が必要だった。
そう、違う刺激が…
ーードカーン!!ーー
!!
痛い!!??
「ゆうちゃん!!」
僕のささやかな願いを叶いがかなったのかな?…にしては痛すぎる…
戀兎の声に目を開けると、僕は地面に倒れこんでいた、背中が痛い、何かが背中にぶつかった!
「ごごごごめんなさい!!」
あれ?この声
「逃げんなよ!!」
「ちょっと遊ぼうって言っただけじゃんか」
「俺たち友達だろう?」
柄の悪い3人組に囲まれた。
背中にぶつかってきたのは
「岩龍く…ん?」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
20 / 72